2009年07月07日

児童ポルノ法、過不足ない論点のまとめ 保坂議員のBLOG

解説の必要もないほど、解りやすい児童ポルノ法の論点まとめが、保坂議員のBLOGに掲載されています。


児童ポルノ法改正案の最新版「論点整理」


葉梨議員の見苦しい言い訳と違って、簡潔かつ論理的にまとめられていますので、是非参照して下さい。
問題点は過不足なくまとめられており、時間のない方はこれだけ見れば十分と言えます。


なお、蛇足を加えるならば細かい点として、以下のような物があるでしょう。


>アメリカの合衆国法典第18編第1466A条(児童の性的虐待のわいせつな視覚的表現)では、児童ポルノの定義を「性的に露骨な行為をしている児童を描写するものであって、わいせつであるもの」「あからさまな獣姦若しくはサディスティック若しくはマゾヒスティックな虐待又は同性間であると異性間であるとを問わず、生殖器と生殖器、口と生殖器、肛門と生殖器、口と肛門(の間)を含む性行為をしている児童又は児童に見える者の姿を描写するものであって、純文学的、芸術的、政治的又は科学的な価値を欠くもの」と、それなりに厳密に規定している。

と言う所にも注目。葉梨議員が法務委員会でシレっとして言い抜けて見せた「芸術性を理由に、作品を児童ポルノの対象から除いている国はない」と言う印象操作は、完全な嘘です。(どうせ突っ込まれたら、「参考人に確認しただけ」とほざくのでしょうが)


また、

>「転校生」では、当時16歳の女優の上半身裸の場面がある

について。
「転校生」は、かの有名な大林宣彦監督の尾道三部作の第一作。原作は児童文学の大家の山中恒。(個人的には、戦時中の文学者の体制迎合に対する、激烈な批判者として姿が印象的。彼は小国民世代ですから……)内容は、体が入れ替わってしまった高校生男女のラブコメディ。非常に有名な作品で、今見ても十分楽しむことが出来ます。
件のシーンは、探してみたらこのBLOGに掲載されていました。

ええ、確かに定義から行くと「児童ポルノ」になってしまいますね。自民党は、これを廃棄しろと言うわけです。

かつて古代アレクサンドリアには、世界中の本を集めた有名な図書館がありました。シヴィライゼーションシリーズで勝利の鍵を握る文化遺産として知られる、あれです。

しかしここに収蔵されていた膨大な書籍は、図書館本体ともども現在は残っていません。
アレクサンドリアを支配下に置いたキリスト教徒が、非キリスト教的な蔵書を多数収蔵するこの図書館に対し、襲撃・放火・館員の虐殺を繰り返し、灰燼に帰しめてしまったのです。

「本を焼く者はいずれ人を焼くようになる」と言うハイネの言葉は、今までの歴史ではほぼ例外なく事実です。導入している先進国はそうなっていない?イギリスで出た300名以上の自殺者(大部分は、「児童ポルノの所持」以外に犯罪を犯したことのない善良な市民)が、そうでなくてなんだというのですか?

次。

>購入者はもとより、在庫を持つ出版社や古書店、ネガ、紙焼きなどを保管しているカメラマン、あるいは正当な収集活動を行っているはずの図書館もグレーゾーンとなりかねず、規制対象は広範囲なものになってしまう。

これもまた、重要なポイントです。与党はどうせ「図書館が所持するのは条文上問題がない」と言うでしょうが、ちょっと待って下さい。「児童ポルノを閲覧させている」と言う非難をかわすために、図書館は全蔵書をチェックしなくてはなりません。視聴覚資料だけでも、膨大な量です。
館内コピー機で「取得」して「所持」されては大変なことになりますから、最低限閉架に移し、研究者等特別な許可を得た人間だけに見せると、言った処置が要求されるでしょう。


>「治安の維持強化のためには、あらゆる現存の法律が有機的に利用されるのであり、問題は、運用者による利用の意志と、その利用可能性および程度にかかっている。したがって、それ自体政治的色彩を持たない法律であっても、立派に治安立法たりえるのである」

ここも非常に重要なポイントです。
執行者が恣意的に運用すれば恐ろしいことになる法律は、そもそも作ってはいけないのです。伝家の宝刀を松の廊下で振り回させない一番の方法は、城内への持込を禁じることです。葉梨議員の「警察は濫用したりしない」という趣旨の発言は、「したい時には濫用します」と言っているのと同じです。警察、執行者に対する抑止力を、執行者の善意に委ねているのですから。
こう言うのこそ、正に官僚性善説ですね。出自を考えれば当然ですが。


最後に、

>子ども自身が撮った写真であっても、児童ポルノと見なされ、摘発の対象となるとされている。現に逮捕された青少年もいる。子ども自身を児童ポルノの被害から守るとしているにもかかわらず、犯罪者とされるのには違和感がある。

ある意味これが一番解りやすい問題点でしょう。
児童の定義は18歳未満ですが、婚姻可能年齢は女子16歳。夫婦間で性交渉の様子を写真に撮って持っていたら、犯罪になってしまいます。それを所持する理由が、性的刺激を得るためなのは、当たり前ですよね?
現行法ですら問題があるのに、拡大したら洒落になりません。ついでに、そう言う写真が数十年後にアルバムから出てきたら?廃棄しなくては「児童ポルノ所有者」として裁かれるのでしょうか?夫婦の写真なのに?

それと、ファッション雑誌の水着グラビアなどはどうなるのでしょう?
中高生向けファッション雑誌であれば、モデルも当然同年代。また、背伸びした小学生も読むわけです。そして、それらは「性的好奇心を刺激」します。中高生の頃なんて、雑誌に載っている単なる水着姿でも、十二分に「性的好奇心を刺激」しましたよ。そうでなければ、マガジンやサンデーが水着グラビアを載せたりするものですか。

繰り返しますが、判例や省庁の判断で「当てはまらないと思われる」などと言うのは、お経にもならないのですから。



表現規制関連エントリーはこちら





同じカテゴリー(社会)の記事
 ふざけないでいただきたい/オリンピック盗用ロゴの擁護について (2015-09-07 23:00)
 色々面倒くさい憲法9条の話 (2013-01-05 20:00)
 あっはっは! (2012-06-27 22:00)
 この国、政治的に詰んだって事ですよね (2012-06-26 22:00)
 著作権が守る物/行政の公開情報を引用して逮捕と言う麗しき世界 (2012-04-17 22:00)
 誰が為の公共性/アレフ施設へのガス供給工事不許可適法判決 (2012-03-15 20:00)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。