2009年07月16日

これはひどい 「ふたつのスピカ」 実写版 第5話 感想

瞳の先に
瞳の先に(orange range)

↑主題歌は悪くないと思うんですよ。
CDのジャケットに、ふたつのスピカの「ふ」の字もないのが、なんだかなあと言う感じですが。


前話までの感想はこちら


完全に惰性です。
もうここまで来れば、挽回のしようが無いのは解りきっているわけで。
演技の酷さなど、もはや突っ込む気にもなれません。ドラクエ9の素材集めの傍ら、ながら視聴です。


さて、今回見ていて良くわかりましたが、制作側は基本的な技量が不足しています。

まず、最初の方針決定段階から。

原作付き作品をやる場合、二つの方法があるのは自明でしょう。

1,原作を忠実に再現する
2,原作の核を抜き出し、再構成する

そして、下に行くほど(下の要素が強まるほど)難易度が高いのは自明の理。
極端に原作を破壊して成功している例など、押井守や宮崎駿くらいしか、すぐには思いつきません。前に上げた大林監督の転校生や、時をかける少女なども、実は原作に忠実です。

原作破壊で有名な押井監督のパトレイバーだって、きちんとパトレイバーしていましたよね。
未来少年コナンなんか、全く知られていない原作とは似ても似付きませんが、それで評価されるためには、あれくらい文句なく面白い必要があるわけです。


ところが、このドラマ版は、実力もないのに原作を破壊しにかかっています。一番根本的な、「友情」と「世代を超えて伝わる思い」を、いの一番に切り捨てて居るのです。

そのため、「どう見ても良い友人に見えない」五人組が、画面上でどうでもいい諍いを繰り返す、ウンザリする映像が続きます。

心の中に悲しみを抱えていても、そこは堪えて仲間に笑顔を見せる。負けて悔しくても、同時に競り勝った相手への敬意が先に来てしまう。そんな、真っ直ぐで、真っ直ぐすぎる純粋な友情が、原作の持ち味です。
それを、あのような下らない青春ドラマのフォーマットに落としてしまうのは、要するにテンプレートしか描けないからじゃないかと思います。

マリカの完全テンプレートのツンデレ台詞など、典型ですよね。彼女が持つ設定や背負った諸々を表現する力がないから、余計な設定を全て切り捨て、単なるツンデレキャラにしてしまう。

他にも、恋愛部分も描きやすいように、お約束の画面構成をしたいから、アスミが先頭に立ってケイを冷やかすような、原作破壊描写を躊躇わない。

夢半ばにして倒れ、一人だけ現世に残って、それでも宇宙を目指す若者をサポートし続けた孤独な幽霊を描こうとせず、単なる父と子のドラマにしてしまう。

遺族の罵倒を受けながらも夢を抱き続けてきた技術者を描けないから、単に「9年間苦しんできた」と言う話にしてしまう。大体、あの描写だと、トモロウが自責の念を感じる理由が弱すぎます。佐野の案をねじ込んで押しのけたのは一緒なのですから、そこを使えば良いではないですか。

アスミの思い・拠って立つ設定を掘り崩しているから、面接でキョドって潰れるという、あり得ないシーンを作ってしまう。

挙げ句の果てに、便利なキャラだからと言って、必要なかった仲違いの後始末まで、佐野先生にやらせてしまう。こう言う方法で収拾せざるを得なかった時点で、友情物語としては既に破綻しているのです。
仲間内部の問題を、外からの手助けでしか解決できなかった訳ですから。


それにしてもまあ、出てくるシーン出てくるシーン、砂浜を走る陳腐な描写をはじめ失笑するものばかり。一々叫ばせないと、セリフにしないと、視聴者に情報を伝えられないんでしょうか?

そして、最高なのはラストの吐血シーン。シュウに関する伏線を全て吹っ飛ばしていたせいで、唐突の極みです。あれ、演出としては最低ですよ。とりあえず話が佳境になったから特に伏線もないけど誰か殺そう、と言う流れにしか見えません。往年の野島ドラマじゃないんですから!


本当は、タチの悪いギャグとして見るのが正しいのでしょうが、はっきり言って笑えないのが困った所。
残り二話ですが、本当につまんないラストシーンが、今から目に浮かぶようです。




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