2009年07月29日

素敵な大人達 「こどものじかん」 7巻 感想

こどものじかん 7 (アクションコミックス)
こどものじかん 7巻

このシリーズ、最初は要するに「小学生+昼ドラ」というフォーマットの話でした。

当然こう言う刺激で売っていく路線は早晩飽きが来るので、4巻辺りで買うのをやめるつもりでした。ところが、それまで完全なモブキャラだった白井先生が、黒との絡みで大化け。ほとんど白井先生のエピソードを読むために買ってるような感じになってます。

さて、と言うわけで最新刊です。
この巻で、ついに3人組も五年生。開始から一年半経過しているわけですね。

まあ、エロコメの面目躍如というようなリンの行動(ギャグ部分が一番光っているというのが面白い所ですが)がウリに見えますが、その辺はむしろどうでも良し。重要なのは、白井先生と黒のエピソードが、一つの山を越えるという所です。

「大人」であることを課され、また当然の価値観として自分に課し、結果「子ども」をやれなかったために「大人」として不完全なままの白井先生。「子ども」をどうやっていいか解らないまま、演じるような行動しか取れない黒。
実は、鬱屈したオタクが共感しやすいのは、熱血主人公よりも彼らだと思います。

って言うか、白井先生へのシンクロ率が凄いですよ。理詰めで考えて自分も突き放して、結局大事な所で踏み込めない不器用さとか、愛おしくて仕方ないです。先生、結婚してくれ!!

低学年の担当に回されたせいで、方法論が通じず右往左往している様子とか、憐憫と共感が良い感じ。そうなりますよねえ!(笑)

ここに限らず、エロの入らないギャグが割と高水準で、作者がやりたいのはこっちなのかなと言う雰囲気。特に今回、小矢島先生をBLネタに絡めて使ってみたり、思いっきり楽しんでいる印象があります。カバーを取った表紙も、今回彼が主役ですし。
ちなみに、現在給食については、意識の高い市町村以外端から外部委託されています。なので、実はあのギャグは成り立たない場合が多かったりします。

これは関係ない話ですけど、文科省も、安上がりだからと外部委託をしている状況で、良く「食育」とか言えますよね…… 大事だと思うなら、それに携わる人間には金を出せと。


閑話休題、メインシナリオの方は、どうにも迷走気味。レイジを悪役または異常者にしてしまうと、話は割り切れますが途端に安っぽくなってきます。

落としどころは大体見えるのですが、彼の存在はこの話に必要だったんでしょうか?どうも、作者自身が主人公の二人を、扱いかねているように見えます。

ともあれ、白井先生と黒についてはまだ最終的な話のオチがあるはず。単純に母親が改心するみたいな安っぽい話(あの母親は母親で、できる限りの精一杯をやってるわけですし)になったら興ざめですが、それを確認する意味でも続きが楽しみです。


とにかく白井先生が素敵すぎるので、ロリ漫画だと思っている人は、是非一度四巻以降まで目を通してもらいたいです。
五巻で自分をだましながら黒を抱きしめる所とか、六巻で小矢島先生の手を取るシーンとか、泣けますから。六巻最後の、「教育」についての決意とかも。本当に、幸せになって欲しいと思います。俺が幸せにしますから!とか、叫んでも届かないのが哀しい所。

これがアガペって奴ですよね?

とまあ、そんな本音戯言はともかく、次巻を楽しみに待ちたいと思います。



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