2009年08月01日

最後まで駄作 「ふたつのスピカ」 実写版 最終話感想

ふたつのスピカ 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
ふたつのスピカ

↑原作は本当に名作なので、こんな産廃ドラマと一緒にしてはいけません。

前話までの感想はこちら

と言うわけで最終回。
で、結局キャストの演技の酷さは、最後までびた一変わらなかったんですが。どの辺が成長したんですか、監督?

それにしても、今回最初からおかしいと思ってましたが、この展開なら、別にシュウを殺す理由なんてないんですよ。仲間の席に自分が座ると言うのが主眼なら、むしろシュウを生かしておいた方が、ドラマの展開に幅が出ます。

そして、最後まで来て脚本のどこがダメか、明確に浮かび上がったのではないでしょうか?

とにかく、主人公達に問題解決能力が皆無なんですよ!

前回までの佐野先生、今回の父トモロウの啖呵、そしてシュウのビデオ。救いは常に外部の、特権的な地位(大人や死者)の者からもたらされます。
つまり主人公達は、コミュニケーションを取って問題を解決するという、基本的な事ができません。

大体、毎回出てきていたゴタゴタなど、きちんと普段からコミュニケーションを取って「友人」になっていれば、問題になるはずがないんですよ。
演出上の問題かもしれませんが、前々回のシーンなんか、典型ですよね。並んで海に向かって叫んでどうするんでしょう?お前ら、相手の目を見てちゃんと話をしろと。
原作で彼らは、夢とか大事な事とか過去とか、恥ずかしいまでにお互いさらけ出して友人になっていきます。ドラマではどうですか?わたしには、「同じグループに入れられたから付き合っている」以上の関係には、見えませんでした。

このコミュニケーション不足という問題は、ドラマ全体に通底します。
今回のJAXA(劇中ではJASROですが)の行動など、官僚組織としてはあり得ない二つの点が原因。


1,担当間コミュニケーション不在
2,指揮権不明確


周囲に話を合わせたりさせねばならないのに、広報スケジュールの周知すらされていない。
優先順位の設定がその場の雰囲気で行われていて、責任者の顔が最後まででない。なんで政治家のはずのマリカの母が、現場に顔と口を出しているのか?NASAの担当者はどう言う権限であそこにいるのか?説明しないのではなく、雰囲気以上の物は決めていないとしか思えません。つまり、宇宙開発のもう一つの主役である官僚組織を理解しないまま、馬鹿が脚本を書いていると言うことです。

NHKだって立派な官僚組織ですし、そもそもJAXAがバックアップしてるんじゃないんですか?なんでこんな、組織の体を為してない描写になるんでしょう?

今回唯一まだ良かった点としては、最後のマラソンの演出ですが、あれも本来必要ないんですよ。
それ以前の描写を描き込み、空気を作った上でセリフや演出を最小限にするのが原作の方法論。何も描けないままラストに来てしまって、泥縄でわざとらしい演出をしないとまとめられないドラマ。まあ、「対照的」の言葉でまとめておきましょうか?

いやもう本当、NHKにしてこうなわけで、ドラマの制作能力低下ぶりには怖気がしてきますね。韓流ドラマに客をさらわれるレベル(まあ、アレはアレで物珍しさとか、デウスエクスマキナとイベント連打で回すロシア文学<ギャルゲーって言うな!>演出とか、売れる要因があったのは間違いないわけですが)というのは解っていたわけですが、これじゃねえ……

とりあえず、アニメ以下のシナリオしか作れないドラマなど意味がないわけで、終わってくれてホッとしてます。もう見なくて良いんだ!
まあ、これが普通に1クール以上やって居たら、一話の段階で切ってたわけなんですけどね……


NASAを築いた人と技術―巨大システム開発の技術文化
NASAを築いた人と技術―巨大システム開発の技術文化


↑NASAだけでなく、アポロ計画に参加した企業や大学を含めた、組織工学洗練の歴史について書かれた本。向こうの当時最先端の官僚組織を覗き見る、と言う意味でも楽しめます。
面倒な文書主義等が嫌われながらも、一定の成果を上げていく様子が面白いですよ。アメリカの職階制と言う官僚システム(内部生え抜きではなく、必要な能力を持った人間をポストに充当していく。当然人の出入りが激しい)が根本にありますが、問題意識などは日本と同じ。カルテックが組織的に滅茶苦茶で成果が上がらなくて、などと言う話には苦笑できます。
上記リンクで中身検索(一部の試し読み)もできるので、興味があればどうぞ。



その他の宇宙関連エントリーはこちら





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