2009年08月18日

ほら来た DL違法化による大義名分の振り回し


Winnyユーザーに注意喚起メール、権利者団体とISP連携で

「ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会」(CCIF)は、日本国際映画著作権協会、JASRAC、ACCS等々を構成員とし、警察庁・総務省・文化庁の利権大好き行政庁をオブザーバーとする団体です。

そこが、Winnyの利用者に対し、注意喚起メールを送付し始めたという内容。
「注意喚起」などと書いてありますが、協議会の公式ページには、

>Q.故意にダウンロードしたものでないのに著作権侵害となるのか。
A.故意がなければ著作権侵害にあたりませんが、この啓発メールを受け取った後もWinnyを使い続けた場合は、著作権侵害行為について故意があったといえる可能性があります。



と書いてあり、早い話が脅迫メールです。

リンク先のFAQを見れば解るとおり、早い話がWinnyの使用そのものを標的とした、浄化作戦になっています。著作権フリーの物(戦前の古い曲とか)だけを集めているユーザーでも、警告に従わねば訴訟、と言う素晴らしい対応。って言うか、P2Pと言う情報伝達手段自体が違法と言いたげです。(無関係なファイルの中継機能がなければ、P2Pネットワークはただの鈍足ファイル転送サービスですし)

なお、プロバイダーが協力しているのは、ファイル交換ソフトのユーザーが帯域を食い潰している現実があるため。まあ、北海道の貧弱プロバイダーなんかを使っていると、良く解りますよ。昼なら数Mbps出るのが、夜は100kbps位まで落ち込んで、ニコニコを見るのに苦労したりしますから。プレミアムの意味が!

ただ、プロバイダーがP2Pユーザーを批判できる立場かよ、と言うのは何度でも言っておくべきでしょう。
動画サイト花盛りの今ならともかく、普及期において馬鹿高い光ファイバーを工事費を払ってまで引き込んだ層は、「そう言う連中」以外の何者でもありません。そして、それを想定して速度と「使い放題」を謳っていたのはどの口かと。この辺、余りプロバイダーに同情する気にはなれません。


閑話休題、恐ろしく問題のある項目が先のFAQには含まれておりまして……


>Q.私が何のファイルを持っているのかを調べることは、盗聴ではないのか。
A.調査では、Winnyのネットワーク上に流通している「キーファイル」(ファイルの要約情報)を収集し、ユーザーが保持するファイルの名称やIPアドレス、接続時刻などを検索・保存できる技術が利用されています。調査に使用されているツールは、Winnyネットワーク上を、通常に流通している情報を取得するだけで、ユーザー間の個別の通信を傍受するような機能はなく、通信の秘密を侵害しません。


拡大して引用し直しましょう。

>Winnyネットワーク上を、通常に流通している情報を取得するだけで、ユーザー間の個別の通信を傍受するような機能はなく、通信の秘密を侵害しません。


んな馬鹿な!

そんな理屈が許されるなら、電子メールの送受信情報も、「インターネット上を通常に流通している」情報を取得するだけ、になるんですが?各サーバーやユーザー・中継者に当たり前にログが残るわけですから。

さらに言えば、ユーザーがネットワークに対して暗号化して送信している個人情報を解析している時点で、思い切り問題が出てくるはずですが。

ユーザーが知られたくないと思っている情報なら、セキュリティに大穴があいていて誰でも見られる状態でも、取得したら不正アクセス防止法違反、と言うのが、我が国の困った判例です。
そして、そう主張し、京大の研究員をつるし上げたのは、他ならぬACCS、つまりこの協議会の加盟団体なんですよ!

どれだけ都合良く二枚舌を動かす気なのかと。

とにかくこれで、著作権とDL違法化がセットになって、通信の秘密を有名無実化していくルートは見えてきたと思います。DL違法化は関係ない、とお思いですか?件のサイトを読めば、DL違法化を契機として、一気に活動を活発化させ、来年1/1以降にRIAAみたいな真似をはじめる気なのは明白ですよ。
ISPと連動して「違法ユーザー」のアカウント停止、なんて言う死刑宣告を、振り回すと宣言してますしね。(ここ

そして、津田さんが繰り返し言っていたように、「違法ダウンロード」をしたことがないユーザーなど、まず存在しないのです……
恣意的捜査や「処置」の濫用可能性の問題で行けば、児ポ法にも匹敵する代物なわけで。


困ったことに、DL違法化の見直しを言っているのは、知る限り、民主党の川内博史議員と、おなじみ社民党の保坂のぶと議員くらい。

後者はもう一々言及する必要のない東京都8区(杉並区)ですが、前者は鹿児島1区。鹿児島1区にお住まいの方は、その辺を考えて頂けるとありがたいです。


それにしても、こんな事をサイトに書いている連中に、著作権を云々されたくないですよね……

著作権について ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会(以下、CCIF)のウェブサイトに掲載されている、CCIFが著作権を持つ文章、写真、図版などについて、複製物を頒布したり、公衆送信する場合には、CCIFの許可が必要です。

わー、じゃあ、上でFAQをコピって公衆送信してるから、僕って無許可の犯罪者だね!
……「引用」って知ってますか、自称・著作権の専門団体さん?



当BLOG内のダウンロード違法化関連エントリーはこちら





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