2009年08月27日

おおかみかくし ファーストインプレッション

おおかみかくし
おおかみかくし(PSP)


PSPを起動するのは、ペルソナ(感想はこちら)以来ですね。

歴代購入ハードの中では、ワンダースワンと並ぶ稼働率です。


さてこのゲームは、「ひぐらしの鳴くころに」で一気に売れっ子になった竜騎士07がシナリオを、ローゼンメイデンで有名なPEACH-PITがイラストを担当するAVG。この手の悪魔合体 夢のタッグマッチ系は、懸念するほど酷かったことは余り無い、と言う印象があります。何より、伝奇風味のノベルゲーは大好きなので、少し遅れましたがプレイ開始。
なお、竜騎士07が「原案・監修」と言う地雷臭のする肩書きなのは、プレイし終わるまで見なかったことにするのが、馬鹿ゲーマーの嗜みでございます。



まず、さすがKONAMIです。インターフェイスはほぼ文句はありません。往年のKIDを思わせる、充実した設定項目と操作性。PSPが○○ハードなので今一活かせていませんが、片手操作もしっかり可能。
ノベルゲームは「進化した本」と言う側面も大きいので、こう言う快適さは外せません。さすがときメモ以来ノウハウを蓄積してきたKONAMIは凄いです。十二分に合格点。
一見滅茶苦茶なTIPS画面にしても、フローチャートとコンパチになっている利点もあって、見た目ほど悪くありません。まあ、各項目の情報がどんどん下に追加されていくのに、キーボードで言う「Endキー」の機能が無いのはどうかと思いましたが。

次に、BGMは、まあこんなもんかと。PSPに期待するのは間違いでしょう。ただ、SEはもう少し何とかしろと言いたくなる内容。川の流れる音や打撃音などは、チープすぎて音を消してくなるレベルです。

それと、これはシナリオではなくブラッシュアップの問題だと思うので先に書きますが、改行がおかしいです。
一箇所ならず、文章途中で唐突に改行されている(エンターキーを一回余計に叩いた?)ところがありました。他にも、禁則処理に失敗したか、「『」が行末に来ていたりすると、イラッと来てしまいます。

あとは、残酷シーンや性的シーンがカットされたと思しき、不自然な文章のつながりですね。せめて、画面赤変&切断音とか、差し替え文章とかでつながないと、何が起きたのか解りません。後の文章で、「さっき見た○○」なんて書かれて、やっと「ああ、そう言う場面が抜かれたのか」と解るのは、余りに間抜けです。

全体的に、時間とお金を余りかけていない印象。

もっとも、それはノベルゲームの宿命みたいなもの。特に、KONAMIが携帯機に投入するゲームは、昔から練り込み不足でした。と言うわけで、その辺は余程酷くない限り目を瞑り、真打ちであるシナリオを読み進めます。


舞台は、1984年の再開発進む田舎町。ここにニューカマーとして引っ越してきた主人公が、町のおかしな習俗や隠された秘密に迫り、事件に巻き込まれる…… と言う、伝記物基本フォーマット。

とりあえず、ほぼ選択肢のない一週目と、本編である二週目以降を少しだけ終わった所です。

文章は、上記の問題点を除けば合格点。読みやすいですし、きちんとゲームのフォーマットに落とされています。日本語として引っかかる所も、そんなに多くありません。立ち絵がやや不足していたり、逆に情景描写を背景に投げてしまっている点は気になります(例えば、旧市街にいるのか新市街にいるのかは重要な情報ですが、これは背景で判別するしかない場合があります)が、今の所ギリギリ許容範囲です。

ただ、どうにも見過ごせない問題点があります。


一つは、伏線強調の問題。
一週目の段階で、物語中で不自然な描写が多く見られます。

例えば、新住民を多く受けいれている町の高校で、「転校生」が珍しがられる。
例えば、人口わずか数万しかいない僻地の町に、医学部まで備える総合大学がある。
例えば、背景に食事処があるのに、店が「7時までに全部閉まる」と説明される。

これらは、伏線として描写されていると思われるのですが、強調に失敗しています。
伏線として強調せずに、自然に文章を運んでしまうので、「ライターは自分で作った設定を忘れているのでは?」と言う違和感だけが残ってしまいます。
設定に鑑みて「不自然」「矛盾のある」描写を伏線として使うなら、それが伏線であるう事を臭わせる必要があると言うことです。でないと、読者には「作者のミス」と「伏線」の区別が付かなくなってしまいますから。これは、ひぐらしでも、出題編の段階で指摘されていましたね。

転校生の話は、「何故か主人公だけが珍しがられる」と言う描写にする必要があるでしょう。
総合大学も、「妙に立派」「不釣り合い」と言った感想を主人公に抱かせないと嘘です。
閉店時間は…… そもそも設定に無理があるのでなんとも。住宅街のセブンイレブンは、ちゃんと11時まで営業してるみたいですし。


もう一つは、これも伏線の話になるんでしょうかねえ?

一週目が終わった段階で、町の秘密にせよ何が起きているかにせよ、ほぼ全部解ってしまうんですよ。そりゃあもう、直接説明されないだけで、馬鹿でない限り誤解しようのない形で。

勿論、ここからひっくり返してビックリさせる趣向かもしれませんが、伝奇としてはダメダメでしょう。
「何が起きているか解らない」「どうしてそうなったか解らない」が、伝奇やホラーのキモです。選択肢のない一週目の段階で、「こんなもんか」感を持たれてはぶち壊しです。一週目は物語の「つかみ」に当たるのですから、もっと練り込んでくれないと……


結局、作りにせよシナリオにせよ、全体的に時間をかけていない印象が強いです。
「うみねこの鳴くころに」との平行と言うことで、最初からそう多くは(文字通り「多く」は)望まないと思っていましたが、やはり残念。一応、最後までプレイしてみるつもりですが。

願わくば「REWRITE」は、やっつけ仕事ではありませんように……



続きのおおかみかくし関連エントリーはこちら





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