2009年09月22日

納期優先? 「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」第2巻感想

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc2 (ファミ通文庫)
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc2


一巻の感想はこちら


結局BK1では品切れのままだったので、立ち寄った本屋で購入。期待にまかせて読破しました。
だって、帯の段階でリアル幼馴染登場とか書いてあるんですよ!?二次元の幼馴染と三次元の幼馴染!そんな両手に花、ギャルゲーの主人公だってそうはありません。


なのですが、とても残念な感想を最初に。
文章が、荒れてます。恐らく、一発当てて続編を急かされたのでしょう。主語の混乱、描写の重複、文章の切れの悪さ…… 明らかに、推敲と編集が足りていません。
一巻の段階で実力があるのは解っているのですから、ちゃんとクオリティ上げてから出版しましょうよ。そんな事だから、縮小再生産に陥るんですよ。
ここ一番でのセリフが、リズムの微妙なおかしさで破壊力半減とか、勿体なくて涙が出ます。

不足気味なキャラクターの説明(復習)も。せめて、「明石葵」と「伊藤まこと」の二重称号は、繰り返し説明すべきだったかと。

しかし、シナリオ自体は相変わらず良くできています。
前回のゆうき関連のシナリオを拡張する形で、狂った世界・設定同士のコンフリクトを描く手堅い内容。何故手堅いかと言えば、前巻で「主人公」が複数存在し得ることが解った段階で、この展開は避けがたいからです。

それにしても、「現実の」幼馴染は、ヤンデレ風味でちと期待はずれ。狂っているのは、彼女が属する世界ではなく、彼女自身に見えてしまいました。現実という最強の設定を背負っているのですから、理恵と同じような方向性で迫るだけで、十分にドラマになったはず。

一方、赤丸急上昇が、前作で要らない子だった高橋さん。唯一「ギャルゲヱの世界」と無縁なリアル女ですが、それだけに主人公に対する突っ込み役として男を上げています。いや、女の子ですけどね……

また、色々迷走していながらも、最後の展開はとても綺麗にまとまっています。
やっぱり、基本的なシナリオ構築能力は高いんですよ。

ただそれだけに、詰めの作業を削ればもったいなさはうなぎ登りになるわけで。設定やキャラのとっちらかりっぷりも、もう少し整理すれば一気に読みやすくなったと思うのです。


これだと、主人公の恋愛も一段落して世界改変の核心に迫る内容となるであろう三巻は、もっとグダグダになりそうで怖いです。執筆期間も、今作と同じわずか四ヶ月ですし。

いや本当、勿体ないですよね。



この作者の、他の作品に関する感想はこちら






同じカテゴリー(読み物)の記事
 非常に面白い「娯楽」の理論書 『純粋娯楽創作理論 VOL.1』 感想 (2015-06-20 00:00)
 ナイストンデモ本!ダニエル・ドレクスラー『ゾンビ襲来』感想 (2013-02-16 22:00)
 最近読んだライトノベルの感想 (2013-01-30 22:00)
 胸がむかつくひどい話 『魔法少女育成計画 restart』 感想 (2013-01-18 22:00)
 良質ショートショート 『独創短編シリーズ 野﨑まど劇場』 感想 (2012-12-11 22:00)
 余りに出来の悪いSF 山田宗樹 『百年法』 感想 (2012-11-26 22:00)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。