2009年09月16日

イクオリティ・ナウの弊害 選択議定書批准をめぐって

今日の東京新聞に載っていた記事です。(WEBには未掲載)
全国260の女性団体が、民主党に女性差別撤廃条約の選択議定書批准を要望する陳情を行いました。OECD加盟国で批准していないのが米国と日本だけであること、前回の勧告で、差別的法体系や賃金格差について厳しい批判を受けたことが、合わせて指摘されています。


私は、非効率な社会システムを憎みます。ですから、不合理で不平等な差別は許せません。不平等を解消させるための逆差別も、やりすぎない限り、マクロな視点で見れば効率を上昇させると理解しています。

そして、この国の政治システムが、民法の差別規定をはじめとする不平等を是正できていない以上、国際機関に直接訴える選択議定書のシステムは有効(と言うか、使わざるを得ない)だと思っています。

しかし、そのように思っているにも関わらず、私は彼女たちの血を吐くような訴えに賛成できないんです。
なぜなら、担当委員会には、イクオリティ・ナウがぶちまけた電波をそのまま勧告に入れてしまうような委員がおり、しかもそれを質せる体制がとられていないと言うことが、前回の勧告で明らかになってしまっているのですから。

この勧告に関する、当BLOGの記事はここ

ですからこの点では、私は電波新聞である世界日報(彼らの選択議定書への意見はここ)や、最低の差別主義者である赤池まさあきと、同じ側に立つ羽目になってしまうわけです!

と言うか、こうしてみると、イクオリティ・ナウや協力した委員は、本当は差別解消を妨害したいんじゃないかと思えて来ます。
普通に、言い逃れのできない差別規定や厳然として存在する労働格差に的を絞っておけば何の問題もないのに、表現の自由などと言うクリティカルな部分に攻撃を加えたら、賛成派を切り崩すことになるのは明白でしょうに。

これは、勧告の中身を見れば、一目で違和感がわくと思います。

例えば、良く批判される慰安婦問題への勧告は、もともとこの活動を支持している左派には受けいれられている問題なので、味方を減らすことはありません。
外せば敵を減らせると思いますが、勧告の一貫性(以前から繰り返し解決勧告を出しているので、今更引っ込められない)や国際問題化している(イギリスの一議員のイチャモンと違い、米議会で取り上げられ、しかも日本のアホな議員達が意見広告で油を注いだ)と言う前提があるので、難しいでしょう。

他の勧告については、真っ当な内容が並び、また支持層と親和性の高い内容となっています。
もっとぶっちゃけた言い方をすれば、左派に喜ばれる内容です。

ところがここに、表現の自由という触れちゃいけない左派の絶対防衛戦に、直接砲撃をぶち込むような内容が紛れ込んでいるわけです。
最初から敵に回ることが確定の右派だけでなく、左派からも反対意見が飛んでくる羽目になるのは、火を見るより明らかでしょう。(そもそも彼らは宗教を基盤とする極右に近い存在です。極左とも親和性があるので、右とか左とか言うのは不毛ですが)これでは、勧告で取り上げられた他の現実的な問題を、解決させたくないとしか思えません。

結局、言いたいことは今までの繰り返しになってしまいます。
日本の抱える問題も理解しないまま、自分の価値観を押しつけるためだけに、十字軍を仕掛けるのはやめて下さい。
女性差別の改善というこれ以上無いほど現実的場面で、あなた方のような狂信者の出番はありません。


何かこの辺は、現実的な問題への対処から出発したのに、左翼セクトが入り込んで滅茶苦茶になってしまった、大学紛争の歴史を思い出させますね。




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