2009年09月28日

W.L.O. 世界恋愛機構 ファーストインプレッション

W.L.O. 世界恋愛機構
W.L.O. 世界恋愛機構

ここのところ、ギャルゲーでは外れを引き続けています。ラブプラスは面白いですが、結局PCゲームでは連戦連敗。
今回取り上げるこのW.L.O.が終わると、BALDRSKY Dive2まで、やる予定のソフト無し。自分の選定能力を、根本から疑う必要が出てきそうな勢いです。正に崖っぷち。

と言うわけで、1ルートプレイし終わったところでの感想です。
馬鹿みたいに長いので、これでは出たばかりの続編というかファンディスク(これの情報が、手を出したきっかけ)にたどり着くのは、まだまだ先になりそう。

冒頭、イベント直後でカップルが大量発生している学校で、無聊をかこっている主人公がうらやみを発散している所からスタート。そこにやってきた政府関係者が、「恋愛せよ。然らずんば死を!」と言った感じで迫ると言うのがつかみになります。落ち物の変形ですかね。

ところが、そいつが「恋愛せよ」と訴えるターゲットが、なんと隣に住む仲の悪からぬ幼馴染。
……チョットマテヤ。
てめえ、思いっきりフラグがあるじゃねえかよ!!何が”恋愛など無縁”だ、こらこのクソボケ!!

と、例のコピペのような怒りを主人公に感じる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
やっぱね、主人公には名前入力が必要だと思うんですよ。そう思いません?そうじゃないと、結局彼女は「俺の」幼馴染じゃない、という事実が浮き彫りになってしまうわけで…… 「黒田」って誰だ!?

それよりも、彼らは高校(恋愛云々の話からすると、中学かも)…… じゃない、「学園」の三年生みたいなんですが、受験良いの?発情してる場合なの?社会のコース分岐的に死ぬ気なの?てめえらも、「受験生だから」と歯ぁ食いしばって、モテない現実を言い訳しながら無味乾燥な方程式に没入しろよぉぉぉぉぉ!!

……失礼。BLOG主は下手に進学校な男子校出身なので、「受験生」とか言う単語が「恋愛」と混ざると、マグネシウムを水に放り込んだ時のような拒否反応が起きることが。
ちなみに、世界設定的に、少子化が進展しすぎて受験が形骸化した世界だと言うことが、直後に解ったりします。それはそれでショッパそうな世界ですが。

とまあ、明らかにギャルゲーやる精神状態じゃなくなりつつあることを自覚しつつ、プレイ続行。これもみんな、この幼馴染「愛奈」さんが、素晴らしい萌え幼馴染なのが悪いんです。


「おめでとう。あなたには恋愛をする自由と、義務が与えられたわ」

オープニングのラストを飾るセリフが、いきなりこれ。パラノイア(TRPG)が思い出されたのは、絶対気のせいでは無いと思います。

でも、少子化対策だったら、恋愛なんて言う不確実な方法のサポートをするよりも、配偶子提供を義務化して、工場で作っちまうとかの方が早い気が…… ← もてねえSFオタらしい発想です。
これも一応、「実の子」の方が愛情が、と言う説明が付いてたりしますが。まあ、動物行動学的には100%正しいので、結構説得力があります。(笑)


とまあ、設定を見れば解るとおり、基本的にお馬鹿なノリで話は進みます。送りつけられる ダッチワイフ 恋愛補助ロボット、金で買収される両親、主人公をいじりまくるメイドトリオ……
ですが、割と言っていることは真っ当。解りやすく言うと、「おめえ、彼女とか作れないと人生灰色よ?」という事。どう考えてもプレーヤーに対する嫌がらせですが、一々ごもっともな御高説で、納得するしかない感じ。むしろ、「俺は恋愛なんか……」という主人公が良い感じにうざく見えてきて、W.L.O.側に感情移入。これは、上手い構成です。

実際問題、初期のギャルゲ(ときメモなんか)が端的に示しているように、”ダメ人間が恋愛するなら、努力と更正が不可欠”なわけですよ。その意味で、”協力はしてやるからてめえも存分に努力しろよ”と迫るW.L.O.の言葉には、一々重みがあります。
まあ、更正するのも努力するのも画面の向こう側の黒田君だから、プレーヤーには何の関係も無いんだがな!

失礼。どうも黒くなるなあ……
もっとも、こう言うのを見て、「W.L.O.は居ないけど、リアルの自分だって!」と思う人間は、絶対いるでしょう。ここで書かれている、ドラクエの例えのように。ゲームもまた創作の一種で、当然受け手の行動に影響を与えずにはおきません。勿論、規制論者が言うような強力効果論はナンセンスですが、そもそも実生活に何の影響を及ぼさない創作なんかに、存在価値なんかないわけで。例えそれが、「現実との落差から来る絶望」だったり、「数日ぼうっとして仕事が手に付かない状態」だったりでも、強い感情・影響を引き起こせたら、その時点で「意味」は間違いなくあるわけで。

でも、「所有して良い漫画は7タイトルまで」は、いきなり死亡フラグですから!そこまでして恋愛したくねえ!と言うか、アイデンティティ捨ててまでする恋愛に意味あんのか!?
ま、主人公はあくまでも一般人の設定なので、これで良いのかな。オタクにこれぶつけたら、完全に踏み絵ですよね。

後、メイドトリオに囲まれての、世間話の練習と称したフリートークタイムとか、結構死にたくなるだろ、これ……
まあ、主人公は会話のきっかけ潰しすぎだと思いますが。明らかに、仲良くなるどころか、間を持たせるつもりすらねえ(笑)

後はまあ、肌ケア講座とか、「そんな面倒なこと継続できる奴は、こんなゲームやりませんよねえ」とか思いつつ鑑賞。うーむ、ある意味主人公とのシンクロ率が凄いなあ。それに、怖いですよねえ、周りの目線。こんな高校三年生の後期にもなってイメチェンで登校とか、目出し帽かぶりつつ、ドラム缶積み込んだピックアップ運転してペンタゴンに近づく位の度胸が必要です。(だからこそ、さりげなく褒めてくれた幼馴染の愛奈さんが、天使に見えたわけですが)
これに限らず、出てくる改造・更正プランは全て努力を要する物になってます。あったりまえの話ですが、嫌なリアルさだだ余り。
まあ、逆を言えば、そこまで努力すれば、そりゃ彼女くらいできるでしょ。突っ込んだリソースの量が成果を分けるのは、どんな「ゲーム」でも同じなわけで。

それにしても、最初に出てくる選択肢が、美少女メイクささせられた上で「女性として生きてみないか?」に対する物ってのは、幾ら何でも面白すぎると思います!勿論、YESと答えると即バッドエンド。制作者は、良く解ってます。

と、非常に面白いのですが、実はここで大きな問題があります。
つまり、ヒロインがほとんど出てこないのです。海兵隊 W.L.O.の素敵訓練風景がずっと続くのですが、幼馴染の愛奈さんを含め、序盤はヒロイン候補が画面に全く出てきません。一応、W.L.O.の班長は出ずっぱりですが、既に学園物でも何でも無し。男友達は何度か顔見せがあるのに(主人公をコスプレ扱いしたりとか……)、何故に女性キャラが出てこないんでしょう?正直、存在忘れかかってしまいます。
勿論、「アタックするのは更正が済んでから」というのはその通りなのですが、友人づきあいと言うか、日常会話くらいあるでしょ?

ただ、逆を言うと、各パート・各話ごとに目的や段階を明確化し、余計な贅肉を削いでいるとも言えます。特に、昨今プレイ時間の長いゲームで良く見る、水増しと言うか推敲されてないだけのダラダラした文章を読まされている印象をほとんど感じません。これは、かなり大きい利点ですよ。

さて、話が進むとヒロインも出そろってきます。幼馴染はかなり空気ですが、画面に出ているシーンは多いので余り気にならず。
一方、画面に出る機会はわずかなのに、ぶっちぎりで存在感があるのが妄想少女の優梨子さん。



得意技は、上記の通りの白昼夢(と鼻血)。
と言うか、この子はだいぶ価値観が現実離れしているので、安心して(?)ギャルゲーらしい気分で見ていられると言うのが大きいですね。
幼馴染の愛奈さんなど、本人はともかく友人連の言葉がキツすぎて(あんた可愛いんだから主人公なんかと釣り合うわけねえじゃんとか、必死にイメチェンしている主人公を憐憫の目で見ていたり、とってもリアル、と言うか的確な内容)胃が痛くなってきますから。本質的な所で現実逃避を許さないそのシナリオは素敵ですが、さすがに全編その調子だと、ねえ?だから、優梨子さんは救世主に見えるわけで。

一方、幼馴染への言い寄りは、激しい抵抗(主に、主人公本人の)を一つ一つ打破していく総力戦。「そこで引いてどうする!」とハッパをかけるW.L.O.の面々が、男らしすぎて素敵です。って言うか、フラグ立っとんねんで?アタックしろよ、アタック!目の前に横っ腹晒した輸送艦がいるのに、魚雷撃たない潜水艦がどこにいるかってレベルだで?あるいは、そのものずばりで「兵は拙速を尊ぶ」。



超が付くほど、正論でございますわ。
と言うか、ここまで言われて劣等感に沈む主人公、理解は出来るんですが、「ダメだこりゃ」としか言えないですよね……
結局、主人公のやることは全て裏目で、全部幼馴染にフォローされているのが泣けてきます。ただ、幼馴染のはずなのに、相手の語る思い出を主人公が思い出せないのは、伏線なのかな?おかげで、愛奈の「幼馴染」と言うアイデンティティが揺らぎかかってますが。


一方、ライバルキャラのイケメンは、小憎らしいほど最適手で押してくる完璧超人。やり口が、さわやかに汚くて最高です。勿論、卑怯という意味ではなく、マキャベリ的な合理性。ゲームのルール的に許されてるんだから何が悪い、と言いたげに、幼馴染の攻略に邁進します。
でも、あのイケメンがやってる事って、ときメモで主人公がやってる事と一緒なんですよね。有り余るパラメータで相手を攻撃し、周囲の女子に邪魔されないように愛想を振りまく。背景キャラその1みたいな主人公が、勝てる相手ではありません。溜息が出るほどの実力差。(だからこそ、W.L.O.と言う作劇上のオプションが必要なわけで)

ただ恋愛の、「容赦ない戦争」としての側面を前面に押し出すと、勝っても負けてもプレーヤーのカタルシスは得られにくくなります。(ときメモは、やってる事はあれでしたが、少女漫画の世界観を乗っけて、上手くデコレートしてましたよね)その辺をどう処理するかが気になったり。
幼馴染については、もともと好意を持っていたという前提のもと、主人公の努力でそれに応えられるようになった、と言うシナリオライン以外ありえないかなあ。


などと、色々楽しみつつ、最初は流れで選択肢を選んでいたら、W.L.O.のライバル組織エース・アリサ&その妹サラサのルートに。だって、学園祭のイベントなら、メイド喫茶よりも演劇の方が、絶対に面白いじゃないですか。それに、サラサが可愛かったもので…… ちなみにこの子は、典型的な病弱系。ついでに人と話すことに、なれておりません。

これって、メイドトリオに、「自分よりコミュニケーション能力の低い相手だから、安心して話せるんですね、ゲロ野郎」くらい言われるであろう流れだと思うんですが。何故か、お咎めは無し。そこは一応、ファンタジーとして触れちゃいけない一線でしょうか?
でも、アリサの無理難題をズタボロになってこなした主人公はきちんと格好良かったので、シナリオの筋は通ってます。

それにしても、結局文化祭と主人公をサポートし続けた幼馴染、報われませんねえ。最後の段階でも、背中を押してくれたのは彼女なのに。どう考えても、フラグブレイクしてるのは主人公なわけで。泣けてきます。
これはやっぱり、幼馴染のルートは最後に取っておくべきですね。と言うか、破壊力大きすぎるんですよ、この子。どうしてここからこの子のルートに分岐しないんだろう、みたいな展開を、終盤でも平気でぶつけて来やがりますから。


協力してくれる愛奈さんに、「こう言うとき、幼なじみって恥ずかしいよな」とほざく主人公。それに対する答えが、これ。


そして、止めの一言。

主人公てめえ!!!


今この場で思いつきましたが、「そう言うヒロイン」って、アリじゃないですか?他のキャラは、そのキャラのルートでしか攻略不能。でも、特定のヒロインだけは、他全キャラのシナリオ山場から分岐してルートイン可能。真のヒロインとしての実力を見せつけられる、みたいな。単純にシナリオ量が倍になりますが、「ある一人のヒロイン」を猛烈にプッシュして見せる方法論としては、これ以上ないほど強力になるかと。
まあ、そんな物量作戦を敢行できるメーカーが今時あるかと言われたら、無理でしょうけども。


と言うわけで、サラサのルートをクリアしたんですが、欠点も一応。ラストが、結構もたつく感じです。文化祭の終了からクライマックスになだれ込むかと思いきや、割とどうでもいいエピソードで水増しされていて、肩すかしに。
また、最終的なヒロイン決定の選択肢が出て、今度こそと思っても、また無駄に時間が……
クラスのドタバタは別に良いのですが、ヒロインとの関係で、山は越えているのに要らない足踏みを見せられるのは苦痛です。このシナリオ、中盤までで終わっていれば最高なのに……

恐らく、エロシーンを突っ込む尺が足りなくなって、無理矢理話を引っ張ったのだと思うのですが、それでああもだらけてしまっては本末転倒かと。


この辺とかも。新兵二人のツーマンセルでは話が進まないのは確かですが、そここそW.L.O.が介入してチャッチャと進めろと。もう結論は出てるんですから。


後、一枚絵のクオリティが割と酷かったりもするのですが、これは立ち絵が良い(楽しく動く)ので相殺。

結論としては、終盤のもたつき以外は大満足でした。他のキャラの場合は終盤もピリッと締まっているかもしれませんし、何より幼なじみのルートを終えるまでは続けたいと思います。
ただ、開始画面でクリア済キャラのグラフィックが変わるので、全員クリアしたら何かありそうなんですよね。結構時間がかかりそうです。



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