2009年09月25日

世界を滅ぼすのは、天使 equality now について

くたばれFGM(NC-15)

上記のFGM(女性器切除。アフリカのあれ)に関する記事に、「児童ポルノ」を巡る一連の事件の戦犯、EQUALITY NOW の名が出てきて、ビックリしました。以下は、それに関するエントリーです。

さて、最初に一つ書いておかねばならない事を。

自分を殺そうとしている相手が、普段どれだけ善人であろうと、どれだけよそで善行を積んでいようと、自分の身を守る事をためらう理由はありません。
ですが、同様に、その殺人犯に救われた誰かからすれば、自分を救った人間がどんな無慈悲な殺人をしていようと、感謝して当然と言うことになります。

旧約聖書の黙示録で、世界を滅ぼすのは悪魔でなく天使、と言うのは実に示唆的ですね。(もっとも、そもそも滅ぼさせているのは神だろうという、クリティカルなポイントもあるわけですが……)

以上を前提に、イクオリティ・ナウの活動について書きたいと思います。

それと、FGMに関する論議はリンク先と同意見。「習慣」や「文化」が尊重に値するのはあくまでも中立的な(毒にも薬にもならない)場合。近現代の論理と正面から相反するなら、それはもう淘汰されるべき因習・迷信でしかないでしょう。


上記の記事で興味を持ったので、この団体の「功績」について軽く調べた結果、以下のことが解りました。

設立は、公式サイトにあるように1992年。
それ以来、同サイト内の活動記録にあるように、何度も積極的にキャンペーンを打っている。(同ページ内をFGMで検索すると、大量に出てくる)
また、FGMに対する1ページを設け活動の中心に位置づけている。


つまり、知っておかねばならないこととして、我々の敵である「EQUALITY NOW」は、一面ではとても立派な活動を行っている、実績と名声のある団体なのです。勿論、彼らが「善意」と「信念」で動いていることも、忘れてはなりません。これは、二重の意味でやっかいな事です。


勿論、その背景には、キリスト教右派の価値観があります。しかし、それを宗教対立に転化しない理性はきちんと見せています。上記の公式ページでも、FGMはイスラム教と本質的には関係ない、と説明しています。

また、背景にある思想がどうであろうと、その実績を否定することはできません。
例えば、日本で孤児の養育や女性保護などと言った社会福祉の基礎を築いたのも、キリスト教系の団体でした。ああ言う人達は、使命感や正義感を武器に損得勘定抜きに切り込んでいきますから、結果救われる人も多いのです。困ったことに……

この辺が、以前書いた、電波呼ばわりして終わりにはできないと言う事の一つでもあります。


と言うわけで、記憶に留めるべきは二つ。


1,EQUALITY NOWは、真っ当な実績を多く上げている団体。
2,だから、「専門家」として各所に影響力を行使できる。


従って、対抗言説としては、以下の通りになるでしょう。


1,表現規制は、彼らの『実績』とは無縁の領域である。
2,彼らはメディア論の専門家ではない。科学的な検証に耐えられるデータは扱えない。


要するに、彼らはあくまでも「現場」の専門家なのです。目の前で進行している人権侵害に対し、フットワークの軽さで切り込んでいく、典型的なNGOです。それは尊敬に値する訳ですが、繊細なメディアの影響論や科学検証を行う力量はありません。
理念として女性差別・蔑視への対抗を掲げていますが、それらがどう生起するかを研究してきたわけではありません。端的に言って、「原因ぽく思えるもの」を叩いているだけです。

もっと単純に言えば、こう言うことです。
18禁ゲームのような目に遭わされている人間を救うのが得意だからと言って、18禁ゲームの影響について口出しするのはお門違いです。ゲームは現実とは違います。


と言うか、活動歴を見た瞬間解りますが、彼らのメインフィールドは、エロゲーどころかコンピュータもろくに普及してない後進国ですよ。

それにしても、活動歴などを見ると、内部がきちんと統一されていないのではないかと思えてくるのですよね。
明らかに切迫度も被害の大きさもバラバラな活動が、入り混じっています。恐らく、先進国におけるどーでもよさそうな内容の活動(エロゲー叩きは典型)は、宣伝戦略なのでしょうが……
キャンペーンの有効性検証とか、やってないんじゃないでしょうか?もともとが少人数で始めたフットワーク命の団体だったはずなので、大規模になって収集がつかなくなってる感じです。本当、エロゲーなんかにリソースを割いてて良いんですか?買春ツアーには熱心に取り組んでいるようですから、東南アジア辺りを優先すべきだと思うんですが。アグネスが言っているとおり、被害者の数と惨状たるや、大変な事に成っているのですから。

繰り返しますが、実績のある団体だからこそ、踏込むべきでない領域に突っ込むのは慎重であるべきでしょう。フェミニズムに対する、ネガティブキャンペーンも良い所です。



切除されて (ヴィレッジブックス N キ 2-1)
切除されて

こう言うのを読むと、逆説的に、EQUALITY NOW そのものを攻撃する事の難しさが見えてきます。
「あんな団体消えて無くなれ」と叫んだとして、「表現の自由」と「アフリカで苦しんでいる女性の救済」を秤にかけられると、不利にならざるを得ないからです。勿論これは、秤にかけさせるような形で自身を宣伝している、EQUALITY NOW の汚さそのものなのですが。


P.S.
ちなみに、トップページからたどれるプレスリリースで、エロゲー攻撃がまた掲載されていますね。

Equality Now Calls on New Japanese Administration to Ban All Games That Promote Violence Against Women and Girls

女性・少女に対する侵害行為を促進する「全ての」ゲームを禁止しろ、と来ましたよ……
下手に「実績」を与えるから、こう言うことになるんです。完全にベルリン会議になっちゃいましたねえ。

まあ、ここに何を言っても無駄なので、我々は政府や関連団体に対して、意見を言っていくしかないでしょうね。
EAが、オーストラリア政府に対し、あまりにも真っ当な抗議行動を行っているように。

裏切り者のソフ倫さん、商売の領域って言うのは、こうやって守っていく物なんですよ?
ここで、ベセスダワークス(FALLOUT3の開発元)の人が、言っている通りね。



他の表現規制関連エントリーはこちら





同じカテゴリー(社会)の記事
 ふざけないでいただきたい/オリンピック盗用ロゴの擁護について (2015-09-07 23:00)
 色々面倒くさい憲法9条の話 (2013-01-05 20:00)
 あっはっは! (2012-06-27 22:00)
 この国、政治的に詰んだって事ですよね (2012-06-26 22:00)
 著作権が守る物/行政の公開情報を引用して逮捕と言う麗しき世界 (2012-04-17 22:00)
 誰が為の公共性/アレフ施設へのガス供給工事不許可適法判決 (2012-03-15 20:00)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。