2009年10月03日

W.L.O. 世界恋愛機構 衣那編感想

W.L.O. 世界恋愛機構
W.L.O. 世界恋愛機構


前回(アリサ編)前々回(ファーストインプレとサラサ編)の続き。

起動画面が突然変わったと思ったら、キャラの誕生日だとそのキャラの一枚絵になるんですね。サラサ可愛いよ、サラサ。

さて今回は、まず優梨子&衣那のルートに分岐。今一分岐条件が解りませんが、衣那に「情動処理」を頼むのがトリガーになっているのは間違いないみたいですね。

何しろ、もともとギャグ担当が二人揃ったヘビー級のルート。と言うか、ボケ×ボケで、話が進みません。方や馬鹿キャラ、方や妄想暴走娘ですからねえ。仕方なくなのか何なのか、二人のシーンでは突っ込み担当不在で地の文で突っ込みが入る始末。文体の統一が、いきなり崩れてるんですが……

そんなボケボケコンビを尻目に、このシナリオでもしっかり(途中までは)フラグを積み重ねる、幼なじみの愛奈さん。さすがなんですが、今からでもルート変更きかねえの?


報われなさが、板に付いてます。
こりゃ、本当に続 初恋物語 修学旅行の高瀬祐花状態ですね。


さて、このルートでの文化祭は実行委員の手伝い。ですが、またこれも「何が問題なのか」を明確にしないまま話が進みます。おかげで、委員長が主人公達の成果を罵倒するシーンで、「何が悪かったのか」がサッパリ解りません。って言うか、あれじゃ完全な言いがかりでしょ?ああもあからさまに戦略目標をすり替えるのは、詐欺としか言いようがないですよね。本来あそこで委員長の切れ者をアピールするはずが、残るのは単なる悪印象。構成上のミスです。

それと、ギャグは相変わらず面白いのですが、やり過ぎると酷い事になる好例がここ(グロ画像注意!)に……

いや、優梨子の鼻血ネタは最初から色々ギリギリでしたが、さすがにこれは洒落になってませんて!掛け値無しに死ぬレベル、と言うリアル話は置くとしても、物を食べている最中にこれはクリティカル。

直後の、落ちた弁当を完食するのも、相当な物でしたが。読んでいて気持ち悪いです。そもそも、あれがアピールになるのかは疑問。それで腹でもこわしたら、相手がどれだけ傷つくか。

ちなみに、ボケボケコンビのギャグが滑る中、一番堅実に笑いを提供しているのは主人公の両親。
そして、フラグを重ね、(主人公ではなく)プレーヤーの好感度を堅調に稼ぐ愛奈さん。



何かもう、全員クリアはキツそうなので、とっととこのシナリオを終わらせて、愛奈さんに吶喊したくてたまりません。



どう見てもヒロインです、本当にありがとうございました。
そう言えば、アリサルートでも、学園祭ラストのキャンプファイアーの時、二人っきりでオクラホマミキサーを踊ってましたね。


そして、今回の分岐は衣那を選択。正直、どっちでも良かったので適当に選んでます。
チューリングテストを余裕でパスするレベルの機械相手に、恋が理解できるかどうかとか言われても、ねえ?そのテーマをやりたいなら、序盤から衣那が機械であることをアピールするイベントが必要です。しかし、全ての描写は、設定に「機械」と書いてあるだけの、ただの駄目な人間。盛り上がりようがありません。

さて、クライマックスは結構盛り上がるんですが、告白を受け入れる気もないのにクリスマスの誘いをOKする主人公は、どないなもんでしょ?

でも、この辺りは面白いのです。色々うわべのセリフは流れていきますが、本質が素敵すぎます。
だって、主人公は、あれだけの訓練を受けたあげく、生身の女性に背を向けてアンドロイドを選ぶんですよ。真のサムライと言うべきでしょう。
……最後までヘタレだった、と言う結論にも、同様に至れる点には、目を瞑っておいてあげましょう。

まあ、こう言う感想が出てきてしまうのは、「ロボットが恋をした」と言う古典SF(チャペックの「ロボット (岩波文庫)」のオチですしね。ここが、ファシズムへの絶望に塗りつぶされた「山椒魚戦争」と違う所です)的感動にならない、困った話の進め方になっているからなわけですが。

本部データのフォーマットにしても、レトロゲーネタは大笑いできましたが、内容は全く笑えないわけで。「ドジっ娘」は、ドジの内容を笑える範囲で抑えないと、文字通り笑えない代物と化すという好例。
一方、これのフォローについては、こここそ蛍さんはこの名セリフで締めるべきだったと思うのですが、何故か無し。文章量が折角多いんですから、伏線使いましょうよ。


ただし、このあとに控える「最大の障害」については、さすがです。W.L.O.と言う組織の存在意義を焦点にして、最低で最高のSF的障害をぶつける、その心意気や良し!!
いやあ、心なんて言う目に見えない物が問題じゃねえんだよ!と言う潔すぎる課題設定に、ダラダラ読んでいたのが一気に覚醒しましたよ。これは凄いです。方程式が冷たすぎます。

まあ、解決法については、総帥が言っているとおり、W.L.O.の理念そのものをぶっ壊す危険性があって、とてもスマートとは言えないのですが。余計な部分を削って、ここをシナリオ後半の中心的な課題として膨らませれば、かなり面白くなったと思うだけに残念。

一方、そんなあれやこれやを置いて、一番堅実にイベントを重ねてキャラを立たせているのは楓さん。優梨子の親友として、もっともまともなキャラとして、シリアスパートを支え続けます。これが物語上必要かどうかと言えば、あんまり要らないと思いますが、無理の大きい衣那シナリオの落とし前をつける役目を果たします。シナリオの着地点をセットする上で、美味しい所を持って行った感じです。
アリサ編20話辺りの次回予告でギャグっぽく出ていた百合ネタで、ルート一本欲しくなったり。

とまあ、エンディングへなだれ込んでいくのですが、これがちょっと呆れる内容。
あれだけの時間をかけ、もっとストレートに行くとダラダラとシナリオを続けておいて、
「ロスト」の伏線は完全放擲。解決以前にそんな問題など無かったかのように、「スタッフロール流したんだからハッピーエンドだろう」と言いたげなぶった切り。

あげくに、エピローグは……
この流れだと、W.L.O.の理念は完全放棄じゃないですか!!考えようによっては、ディストピアSF一直線ですよ?あるいは、切ない滅亡を描く系統。
何というか、完全に物語とは破綻していて、いっそ清々しい勢いでした。これは、ストレートに言って「無い」です。


まとめとしては、アリサシナリオよりはるかに短かったのが救い。ですが、逆に文化祭は面白くなく、かなりがっかりな内容。
これは、あと愛奈ルートをクリアしたら終わりでいいですよね。



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