2009年11月09日

9年越しの完結 「ふたつのスピカ」 16巻感想

ふたつのスピカ16 (最終巻)
ふたつのスピカ16 (最終巻)


積みゲー積み本を多数抱えるオタクとしては毎度の事ながら、やはり言わずには居られない後悔というものがあります。

つまり、ふたつのスピカ最終巻は、「何故発売日に何を置いても読まなかったのか!」と嘆きたくなる、素晴らしい出来映えでした。

この巻では、ドラマと呼べるような物は、ほとんど全くありません。セリフのある登場人物自体限られており、背景や些細な表情だけでシーンを切る方法に完全依存。竹井10日presents「天と美駿の漫画がんばるぞ!」にあるとおり、まるでエピローグのような構成です。

ですが、その中で、描くべき事は全て描ききっています。宇宙に行ったアスミの心、ライオンさんの物語、親世代の再出発、五人組から減ってしまった四人組の歩み……
そして、府中野君とアスミの過去エピソードと、次の世代へと順繰りに受け継がれていく思いまで。

特に、ラストシーンへと流れ込むポイントが、宇宙から見た地球でも、宇宙学校の風景でもなく、校庭の隅で見つかったタイムカプセルである事は、この作品の真骨頂でしょう。

本当に、素晴らしい作品でした。宇宙漫画、あるいは青春漫画の傑作として、今後も語り継がれる作品になって欲しいものです。だからこそ、ふざけたドラマを作ってくれたNHKには、怒りしか湧いてこないのですが。アニメ版にしても、滅茶苦茶なスケジューリングによる作画崩壊であの始末ですし。


それにしても、ここまで傑作を描ききってしまうと、次回作はどうなるのでしょう?充電期間で一年くらい音沙汰が無くなるのは覚悟する所ですが、同工異曲でグダグダになるのだけは避けて欲しい所。

ところで、九年前の段階で十二分に「古くて」「地味」だった今作、完結に至っても全く印象が変わらないのが凄いですね。何というか、ずっと変わらず「十年くらい前の雰囲気」を維持しているというか。

何はともあれ、今後の人生でこの16冊のために本棚のスペースを確保し続ける事に、些かも迷い無し。作者の次回作に期待したいと思います。



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