2009年11月16日

EU3 インノミネ その5 ビザンツ帝国の復活 完結編


ヨーロッパユニバーサリスIII コンプリートパック版 【完全日本語版】


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あらすじ:
東地中海を内海化し、世界有数の大国にまで盛り返したビザンティン帝国。
しかし、宗教改革と近代化がもの凄い勢いで進展する西欧諸国の追走に、慌ててヨーロッパの進出を企図。
気付けばすっかりオスマントルコのポジションにはまり込んでいる、僕らのローマ帝国に明日は来るか?



さて、思い立ったら吉日です。
まず、しつこくしつこくつきまとうティムールに鉄槌を下すべく、東方国境に兵力を終結。大砲や新型騎兵を揃えた大部隊がティムールに襲いかかり、およそ3年間で中東地域の大部分を占領し、野戦軍を壊滅させました。いつもならいい加減講和する時期ですが、どうせ奴らは回復期間が欲しいだけ。無視してひたすら野戦軍のモグラ叩きを続けます。結果、さらに数年後、弱り切ったティムールは周辺諸国のハイエナ参戦でフルボッコにさせ、斜陽化が決定的に。

これで、東方国境は安定しました。

その間に、やる事のない海軍は、イベリア半島の戦争に介入。フランスとポルトガルに噛みつかれたカスティリアから、地中海西部の島嶼とイベリア半島の一州を奪い取ります。ここを契機に、ギリギリ残っていたアフリカの沿岸地域に入植を開始。黄金海岸と象牙海岸に、地歩を築きます。


ところで、この植民地経営というのが、非常にひどい(褒め言葉)内容です。
まず、植民候補地に、移民船団を送る必要があります。これは、様々な修正が入りますが、おおむね5割前後。これが成功すると、その土地に植民地が築かれ、勢力圏となります。
その後、植民を繰り返し、(一回の移民船団で、人口が約100人増える)また自然増と合わせて人口が千人を突破すると、晴れて正式領土に昇格し、インフラ整備や徴兵等が可能になります。

ところが、当然ですが、植民地には原住民がいます。(ごく希に、居ない所もある)
彼らは、植民地が正式領土に編入した暁には、教化された市民としてそのまま人口に加えられます。つまり、文化も宗教と本国と同じ、従順な国民が湧いて出るのです。税収等は人口に比例しますから、彼らが多いほど良い場所なわけです。この時点で、相当アレですね。

しかし、彼らは野蛮な原住民。ちょっとした事で、植民地を襲ってくる事があります。人口比では原住民側が圧倒的なので、こう言う原住民反乱が起きると、十年かけて育てた植民地が一夜にして壊滅、と言うのもよく起こります。

では、どうするか?
軍隊を駐屯させる、と言うのが誰でも思いつく所でしょう。実際、他の列強の侵略や現地国家(マリとかガーナとか)の攻撃に備えるためにも、一定数は必要です。ですが、このゲームには陸軍の扶養限界という物があり、それを超えるのは非常にリスキー。何より、植民地は所詮植民地で、それで本国の防衛がおろそかになっては意味がありません。ヨーロッパの一州は、植民地十州に匹敵する価値があります。

また、駐屯軍と原住民が戦闘に入った場合、当然新式軍は暴徒の群を蹂躙します。その結果、原住民人口は減ってしまい、独立の際の人口ボーナスも減少してしまいます。と言うか、大量の軍を置いていると、数を活かした殲滅戦が展開され、原住民が全滅してしまう事も珍しくありません。

そこで、もっと手っ取り早い方法が出てきます。
軍隊が植民地または未入植地域(無主の地)に存在するとき、「原住民を攻撃」という、素敵過ぎるコマンドが使用可能になるのです。
これは、本当にそのまま、原住民を女子ども含めて皆殺しにするべく攻撃を仕掛けるコマンド。これによって、反乱のリスクを0にして、安心の入植が可能になるのです!

実際、後半になって植民地が大量に存在する状態になると、チマチマあちこちに軍を駐留させるのが面倒になってきます。そこで、あらかじめ原住民を皆殺しにすれば、管理コストは大幅低減。どうせ人口ボーナスがなくても、特産品は取れるんだから…… と言う、実にインペリアリズム溢れる考えが頭をもたげてきます。

この辺の、「合理的に行動していたら、史実通りの外道な列強政策に手を染めていた」と言う流れは、他のシリーズも共通。実にこう、ブラックで素晴らしいですね。ここでは書いていませんが、「共和制は非常にうざいけど、生産力と国民の不満があるから、仕方なく導入する」と言う流れの多い後半の内政も同じです。


閑話休題、黄金海岸は奴隷しか取れないクソ地域(奴隷は、ほとんど金にならない「特産品」です。まあ、奴隷以外に出荷物がないと言う事なわけで、正しいでしょう。って言うか、このゲーム序盤の西ヨーロッパとかって、史実では正にこの状況だったはずなんですが……)でしたが、象牙海岸では象牙が産出。(何が出るかは、ある程度ランダムです)ついでに、周囲の土人国家(繰り返しますが、この手の差別語は、列強ロールプレイの一環です。ご了承下さい)に金が出る事に気づき、駐留軍の騎兵五千を持って進軍。槍で武装した部族集団をマスケット騎兵が蹂躙し、賠償金と金山を繰り返し奪い取ります。

また、この辺を足がかりにプエルトリコへの進出を果たすと共に、東インド会社設立を狙って、インド洋島嶼部への植民と平行して、艦隊をインドへ回航。インドは列強がガッチリ食い込んでいて割り込めませんでしたが、アチェ王国が支配していたシンガポールを占領し、地歩を気付きます。ついでに、人口豊富なフィリピンへの入植を開始。ここの入植が終わったら、ちょんまげ結ってる後進国の島国に砲艦外交を仕掛け、ビザンティン領九州でギリシア正教布教とか、そう言う楽しい歴史を作るつもりでした。

しかし、そんな事は勿論余技。
東方国境を安定させたビザンティンは、16世紀後半、怒濤の勢いでヨーロッパに進出します。
まずは、かつて何度も小競り合いを演じ、今また偉そうに領土拡大に対する警告など送ってきているハンガリー。貴様のような弱小国家が、我が帝国に警告など、身の程を知れい!とばかりに、2万5千の騎兵軍団3部隊を中心とする十万あまりの陸軍が、ハンガリー領に殺到します。

勿論、史実において対オスマン戦争がそうであったのと同じく、オーストリアや神聖ローマ帝国の各国が援軍を派遣。フランスは介入の機会をうかがい、ポーランドも国境に兵力を集中、と中々危ない情勢です。ただし、イタリア半島の根本を押さえるミラノ公国は日和見で、ビザンティンのイタリア半島領土は安泰です。

さて、開戦三ヶ月でハンガリーの野戦軍は全滅。人口不足のオーストリアも本国に撤退し、領土は切り取り放題となりました。
と言うわけで、オーストリアから二州、ハンガリーから領土の数割を奪い取り、ついでにワラキアを独立させます。いや、ワラキアは、序盤の数次に渡る対オスマン戦争の時に、ずっと一緒に戦ってくれた盟友だったので、これくらいはしてやるべきだろうと。ま、属国ですけどね。

この後、ハンガリーは復讐戦を仕掛ける度に我が国に返り討ちにされ、十数年後には消えて無くなりました。ユニットも技術も西欧型のオーストリアは強敵でしたが、人口の差が国力の差。ビザンティンの大部隊に押し切られ、これも数州だけの残骸になりはてます。
また、第二次対ハンガリー戦争から参戦して来たポーランドは、技術的な立ち後れが致命的になっており、緒戦で一蹴。バルト沿岸までビザンツに打通され、一足早く各国に分割され始めました。

ところが、この一連の戦いによって、ビザンツはヨーロッパ諸国から完全に敵対視されるようになります。神聖ローマ各国は共同してビザンツに圧力をかけ、イベリア半島諸国は貿易港を封鎖。そしてそして、東方でビザンツが暴れている間に順調に周囲を平定したフランスは、ミラノも蹂躙し、気付けば一大帝国となっていました。しかも、フランスは技術力でビザンツの5レベル上。陸軍保有数も上回るという悪夢のような布陣。このゲームにおけるチート国家の名は伊達ではありません。

そして、国境を接して数年。贈り物をして関係改善を図る度に「侮辱」されて友好度を下げられるという、正に土下座外交でしのいでいたのですが、18世紀間近にこれが破綻。大陸軍がビザンツ領ヴェネツィア目指して殺到してきます。

ビザンツは、海軍こそ優勢を保って南仏を封鎖する物の、陸戦では連戦連敗。騎兵5万・砲兵1万2千を擁する主力が、歩兵3万5千砲兵8千の先鋒に、5倍の損害を受けて壊滅するなど、まるで歯が立ちません。ヴェネツィアやローマの要塞化によって時間稼ぎはできていた物の、十万近い軍勢が殺到してくるに至り、戦争は塗り絵の様相を呈していきます。

結局、何度やり直してもフランスによる破竹の攻勢で、ビザンツの欧州撤退は避けられなくなりました。と言うか、以後は休戦開けに宣戦されては撤退するの繰り返しになるため、ゲームになりません。このプレイは、ここで投了となりました。

いや、色々試したんですよ。イギリスと手を結ぼうとしたり、フランス沿岸の全面封鎖を計画したり。
でも、ビザンツは完全に「キリスト教徒の敵」状態になっている上、(こっちだって、ギリシア正教で、キリスト教の一派なのに……)フランスと境を接する大国がビザンツだけというのは致命的。こんな事なら、ポーランドとは仲良くしておけば良かったと思っても、後の祭りです。

とは言え、色々な教訓をくみ取れたプレイだったので、割と悔い無し。
本当なら、フランス相手に延々と続く撤退戦をプレイすべきなのでしょうが、何が悪かったかが見えてきたので、それを試したくて仕方なかったのです。


以下、敗因分析。


なんでこんな事になったかというと、全ては長期的投資計画の失敗です。
まず、ビザンツは序盤から無理に無理を重ねる軍拡を強いられました。これにより、「インフレ率」が序盤からガンガン上がっており、インフラ整備が遅れたのです。
しかも、インフラ整備の重要性を今一理解していなかったため、「工房」の様な全領土必須設備を、後になるまで首都近辺にしか建てていませんでした。
そして、西欧化後の技術進展の時代にあって、これらのインフラを後追いで整備すると共に、領土拡張によって扶養限界の増えた陸海軍の拡張に邁進し、さらに墓穴を掘ったのです。

技術投資は、西欧化が済むと「隣国ボーナス」という形で、かなりの投資が無料で行われるようになります。しかし、これにはやはり限界があり、「放って置いたら格差が縮まるだろう」というのは大甘でした。とは言え、インフラ整備用の現金は捻出しなければならず、その現金捻出によってさらにインフレ率が上がるという悪循環。要するに、外征で勝ち続けて内政が破綻する、典型的な斜陽帝国を演じたわけです。


この教訓を胸に、三度1399年に戻ってポーランドを大国にすべくプレイを始めたのですが、それはまたいつか。

このAAR(プレイレポート)、思ったよりかなり、書くのに時間かかるんですよ。



でも、この勢いだけで書き上げている文章で、一人でも面白そうだからやって見よう、と言う人が出てきてくれると嬉しいです。記事のヒット数は、かなり絶望的なんですけどね。

SLGは、切込隊長が書いているように、日本と欧米で恐ろしい格差があるので、このジャンルが好きならば、一度手を出してみる事をお勧めします。

ちなみにこのゲーム、いわゆるRTSと違う思考型ゲームなので、「欧米のSLGって、マウス捌きのアクションゲームじゃねえか」とか思っている人にもお勧めです。
まあ、ヨーロッパ中世史なんて、と言う方は、それこそHOI2が良いでしょう。二次大戦好きは、数にして桁が一つ違うでしょうし。



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この記事へのコメント
めっちゃ面白そうじゃないですか!
amazonにEU3を即日配送で発注しました。
年末年始はEU3できまりです。
Posted by GameBoy at 2009年12月16日 05:09
なんと!プレイしてくれる人が一人でも出たなら、こんな嬉しい事はないです。
はまればトコトン楽しめるゲームなので、お口に合う事を願います。

最初は要素が多すぎて混乱するかもしれませんが、ファーストプレイは滅亡を楽しむくらいの気持ちで行くと良いかと思います。
Posted by snow-windsnow-wind at 2009年12月16日 23:46
面白かったです。
自分は明プレイでまったりやってます。
Posted by reonald at 2010年06月19日 16:55
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