2009年11月29日

ダムの話 続報


前に少し書いた八ッ場ダムについてですが、報道ペースが間遠になる一方で、色々と揺り返しが起きています。

とりあえず、この件について継続的に記事を出している、保坂元議員のBLOGへのリンク。

八ッ場ダムの「逆流」はあなどれない勢い
ダム事業見直し「有識者会議の人選」に逆流か

要するに、地元の署名運動や各種陳情に押される形で、計画撤回の撤回があり得る情勢になってきたと言う事です。
まさか、政権交代の象徴としてぶち上げた政策転換を、再度撤回するとは思えないのですが、問題はその情勢を作り出した方法。

まず、「地元の集めた署名五万人ぶん」ですが、こう言うもの凄い数が出てきたときは、まず収集方法に注目する必要があります。

八ツ場ダム「中止反対署名」地元人口に匹敵の5万人突破 (2/2ページ)

ポイントは、署名者のほとんどが住民である一方、「建設関係者やトラック関係者ら公共事業関係者2千人超」が加わっていると言う事です。
単純な二千人という数が問題なのではなく、出自が限定されている所に注目。つまり、署名を集めるための活動が、非常に組織的に行われている事が解ります。また、「ちなみに8月の衆院選(比例)では吾妻郡の投票数(約3万8千票)の27%(約1万票)が民主党に流れている。」という記事内容にも注目しましょう。

もともとこう言う地域は、自民党の集票組織がガッチリしています。その機構を通じ、地元の役場が協力する形で署名を行えば、この程度の数を集めるのは難しくありません。

そしてここが重要なのですが、前にも書いたとおり、「地元が推進を望んでいる」事は、そんなに重要なファクターでしょうか?
「推進を望む」を言い換えると、「国の金をここに落としてくれ」と言う要望に他なりません。そもそもが、国としての水需要から建設可否が論議されているのであって、「地元が望んだから作る」と言う性格の施設ではありません。(逆に、反対が強いから別の場所にする、と言うのはコスト管理として普通の事ですが……)
さらに、今まで散々逆方向の反対運動を押し切って公共事業を行ってきた自民党が、地元の賛成を錦の御旗に政府を攻撃する事に、恐ろしく醜いものを感じるのは、私だけでしょうか?

また、結局一番問題なのは、後段の記事でしょう。ダム建設推進派だけで固めた会議と言う事は、またぞろ結論ありきの出来レースになります。議論をするのであれば、両派から人を出さねば意味がありませんし、その議論の過程で国民は政策の合理性を判断できます。最終的にどちらの結論になるかにかかわらず、そこが最も重要なポイントでしょう。

どうも安定しないというか、表現の自由関連と同様、官僚などの既存勢力に巻き返しを受けているようですね。この辺、政権が数期続けば議員も党も慣れて、対処法も出来てくるのですが(同様に癒着も出てきますが……)まだまだ混乱は続きそうです。
こう言う時こそ、政策秘書制度をはじめ充実させてきた議員・政党の運営能力が問われるはず。ですが、党要職の肩書きを持っている保坂元議員が割と時間がありそうな状況を見ると、やっぱり機能していないのでしょうね。
実務処理や資料提供を官僚に頼った状態では、同じようなパターンは増えてくるのではないかと思います。


最後に、建設は引退派住民の要望に関する記事。
【八ツ場ダム】生活再建チーム設置、市民団体が求める

これが、本来住民にとっては一番重要な所でしょう。
当たり前の事として、ダムができるにせよできないにせよ、その後の生活が一番大事なわけですから。
少なくとも、ダム湖を観光資源にして云々という世迷い言を奉じて建設を推進しても、その他多くのダム湖と同じく閑古鳥が鳴くだけなのは確実。この辺で、文字通り「現実的」な解決策を提示できれば、騒ぐのはアレな知事の皆さんくらいになると思うのですが。

……とりあえず、科学・合理精神と一番遠い所にいらっしゃる某都知事や某県県知事には、合理性だの科学的根拠だの、語って欲しくないと思うわけですが。






タグ :社会

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この記事へのコメント
snow-windさん。
第28期東京都青少年問題協議会答申素案 「メディア社会が拡がる中での青少年の健全育成をご覧になりましたか?
私はもう見たのですが、内容がもう、ひどいひどい。
7月9日の第7回専門部会の発言がそのまま反映されたものとなっております。
これは最早、青少年の健全育成などというものではありません。
自分たちにとって気に入らない表現をジェノサイドするための「創作物ブチ殺し条例」です。

http://www.metro.tokyo.jp/INET/BOSHU/2009/11/DATA/22jbq201.pdf

パブリックコメントを募集しているようです。
都民以外の人でも最初に

>東京都は日本の出版印刷業メディア産業のほとんどが集約されていま   す。
>そのメディア政策は私にも深く関係します。よって以下の意見を送ります。
>と、一行目に書けば、他県民でも送って問題ない。

だそうです。
世論の声の後押しがあれば、規制強化の流れは潰せる筈です。
とにかく締め切りまでに一つでも多く意見を送るべきだと思います。
私もどのような内容の意見を送るか真剣に考えているところです。

http://www.metro.tokyo.jp/INET/BOSHU/2009/11/22jbq200.htm
Posted by K.J at 2009年11月29日 14:00
その件については、今日の夜にエントリーがアップされます。
Posted by snow-windsnow-wind at 2009年11月29日 19:42
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