2010年02月01日

時事ネタに絡めて ハイチと折り鶴の話

いつもどこかで炎上祭り。インターネットは今日も元気です。
と言うわけで、例のお祭り騒ぎの件。

とりあえず発端がこれで、
ハイチ大地震の被災者に千羽鶴を ミクシィで広がる支援の輪(産経ニュース)

知らない人は、後は適当にググってください。

ある程度まとまっている所としては、
「ハイチに折り鶴」の件

一般的な反応としては、
ハイチ大地震の折り鶴騒動の主催者連中が沸きすぎてて怖い

割と中立的な意見としては、こう言う所もあります。
話題になってる「ハイチに折り鶴」の件。


とりあえず、上記は大人しいと言うか、割と真っ当な反応の所。

でまあ、全うじゃない反応の代表選手たる2ch等ではと言うと、
こんなのとかこんなかんじ。まとめBLOGのコメントが、記事を書いている時点でどちらも5kとか行ってますね。いやあ、すごいすごい……


上記のリンクをくぐった瞬間すでに予想が付くように、「余計な事すんな」「現地の迷惑だ」「自己満足の○○」と言った罵詈雑言がバーニング、と言ういつものあれです。


さて、これをネタに何が言いたいかを先に書いておくと、以下の2点になります。


1,無駄で(多分少しは)有害だとしても、ボコボコに批判しても何も生まれない
2,「善意」の批判しにくい活動という意味で、散々取り上げてきた表現規制の問題ともリンクする


順番に書いていきたいと思います。


まず、千羽鶴を折るのは、多分ほとんど無駄です。ですが、意味を持たないわけではありません。
「現地の人を励ましたい」と言う思いを伝えたい場合、理解してくれる所に送るのが良いでしょう。例えば、派遣される援助団体が持参し、現地事務所に飾る、と言う方法があります。現地の(まともな・精神的に余裕のある)協力者に渡す、と言う手も有効でしょう。再建された学校に飾る、と言う方法など、テンプレートです。

そう言った象徴としてあの千羽鶴は使い道があり、一概に否定はできません。

そして、ここが重要な所ですが、居丈高に「やめろ」と言っても何も解決しません。
ああ言う活動をする人間は善意で動いており、目的の正しさを確信しているので下手な批判は禁物です。では、どうするべきなのか?少なくとも、高所から正論をぶつけていい気になるのは、やめた方が良いでしょう。それこそ、「やらない方がマシ」な行動で、誰も幸せにはなりません。

単純に、手段が目的を達成できる物となるように、アドバイスをするのが建設的です。
例えば、以下のように。

「千羽鶴を送るのは悪くないと思いますが、それだけ送ってもコンテナ容量が余りますよね?また、鶴のような精神的支援よりも、もっと切実な援助が必要です。コンテナを送れるだけの余裕があるのなら、一緒に要請されている物資や義援金を同梱してください」

高所からバーカと言われて、むかつかない人間はいません。それが善意から行っている事であれば、倍率ドンで返ってくるのは強烈な反発だけです。
少なくとも、折り鶴を活かす方法を提示しないと、「すでに突っ込んだ労力をドブに捨てろ」と言うに等しくなってしまいます。それでは、相手が納得するはずがありません。

ですが、こう言う祭になる例に漏れず、高所からの御高説を垂れ流した結果、誰も幸せにならない炎上に至ったわけです。
そもそも、折り鶴一セット送られた程度では、実際は大した迷惑じゃないわけで。鼻息荒く絶対阻止!とか言うような内容ではありません。

まあ、初期に突撃した連中の悪い癖だったか、性格が悪かたのか馬鹿なのか…… まあ多分ネットだと気が大きくなる一般的な作用でしょう。上から目線で説教できると気持ちいいですしね!(自戒)あ、あと群集心理。

かくして、出現したのは、どう見ても「善意の人を袋だたきにしている不逞な集団」の図です。折り鶴を折った人達の善意が効果の無さを変えようがないのと同様、袋だたきにしている側の正義はこの状況を正当化しません。


と言うわけで、2の表現規制問題とパラレルですよ、と言う話になります。



今まで何度も書いてきたとおり、

 彼らを電波と罵るべきか? 表現規制問題について
 世界を滅ぼすのは、天使 equality now について
 批判箇所は、一つだけで必要十分 ユニセフ事務局長の弾圧要請

「児童ポルノ」を含む表現規制を声高に叫んでいる人達は、基本的に正しい「目的」(それが建前だとしても)に沿って「善意」で動いています。
そこで、相手の属性や誤りをあげつらって論難しても、単に悪役に仕立て上げられるだけになってしまいます。手段への批判が「目的」(この場合、児童福祉)への批判と受け取られれば、完全なパブリックエネミー一丁上がりです。

ですから、私の論調は上記リンクのような物になります。まあ、こんな木っ端ブログの記事はどうでも良いとしても、反規制派である枝野議員や保坂元議員、あるいは法務委員会で参考人招致された一場弁護士が、「それは児童保護にならない」「もっと有効な施策がある」と言っているのはそう言う事です。

・児童保護は課題だよね。だけど、単純所持は児童を救わないよ
・児童保護は大事だよね。でもね、表現規制はコスト(リスク)が大きすぎない?
・児童保護は大切だよね。ならさ、児童福祉に予算を入れようよ
・児童保護は重要だよね。なのに、警察は児ポ法を児童を救うために運用してないよ

そして、「こんな物が堂々と売られているのが……」と言う意見に対しては、「だからこそ、ゾーニングを徹底しています」「興味のない人間の目に触れないように、警告ページ作成を徹底します」と言うような、実質的に表現を規制しない方法を提示する必要があるわけです。
勿論、ソフ倫のように全面降伏して規制を受けいれるのは本末転倒です。が、タバコの箱の注意書きのような文面が本やゲームに入るのは、表現そのものの規制では無いのでアリでしょう。
勿論これは見せかけの妥協なのですが、相手にも一定の「戦果」「達成感」を与えるという意味で重要になります。折り鶴の件で言えば、「折り鶴を送る」と言う目的とセットで、現地の為になる方法の提示ですね。

今回のハイチ折り鶴祭については、批判者達があまりにも「言ってる事は間違ってないが、どう見ても悪役」と言うテンプレートに乗っかっているので、モデルにあげてみました。あれは正に論争における失敗例の典型なので、他山の石として見てみると面白いと思います。

あ、それと、表現規制問題については、そもそも規制派が力では圧倒的である事を忘れてはいけませんが。
つまり、あのような正面からの罵り合いに発展した段階で、相手に思うつぼになってしまうわけです。規制派の根源には「おぞましい」「きもい」と言う意識があり、その思いに多数を同調させられれば、容易に勝利を得られるのですから。



慟哭のハイチ―現代史と庶民の生活
慟哭のハイチ―現代史と庶民の生活

ハイチという国は、今回の地震が無くても十分すぎるほど悲惨な、失敗国家一歩手前の極貧国です。復興事業が上手く経済振興・インフラ整備と連動すれば、何らかの転換点になる可能性もありますが……




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この記事へのコメント
在特会などのような団体に対し、ECPATと女性国際戦犯法廷を主催したVAWW-NETが姉妹関係であることや、APP研が天皇制を中傷する発言をしていること、「日本は児童ポルノ大国」だというのはウソの宣伝であることなどをあげつらって、「反日左翼」だと槍玉に挙げさせ、攻撃させるという考えはどうでしょうか!?

なお、青木直人氏がアグネス・チャン氏と中国共産党の関係についてつかんでいるという話も聞いたことがあります。また、在特会の桜井誠会長や瀬戸弘幸氏も児童ポルノ法改定に反対しています。

一見、snow-windさんの見解に反するように思いますが、正攻法以外にも意表を突くような攻撃手段を持っておきたいというのが私の狙いです。

「反日」という言葉に食いつくのは右派しかいません。ネット右翼はともかく、自民党の保守色が強い議員には規制推進派が多いのはご存じのことと存じます。よって規制推進左派を「反日左翼」と攻撃することにより、規制推進右派と規制推進左派の間にくさびを打ち込むことができるのはないかと思うです。

よって、「反日」という言葉に食いつく可能性がある人に対しては「反日」というキーワードを使ってみる価値があると思います。


あと、コンテンツ文化研究会に大規模な集会やデモを行うように提案しませんか!?外国人参政権反対派が1000人規模のデモ行進を開催したそうですし、また、辺野古基地反対派が主催者発表で6000人規模の集会を開催し、銀座などをデモ行進したそうです。我々もこれぐらい大規模な集会を起こすべきです!!

ちなみに、もし資金が豊富にあったら是非やるべきだと思っているのは意見広告です。意見広告こそが私にとって理想の表現規制反対を訴える方法だと思っています。
この考えはすぎやまこういち氏が多くの意見広告を掲載したことから着想を得た者です。欲をいえば、すぎやま氏に規制反対派になってほしいものです。アニメやゲームの仕事を多くなさってますし、殺人事件とゲームを結び付ける言説を批判していますし、かつてポルノ解禁に感動したという発言をしているのですから、うまく訴えて味方にしたいところですが…
Posted by slpolient at 2010年02月02日 20:32
無駄な思想対立になりますから、その案には賛成しかねます。
前にも書きましたが、事の本質は右対左でも男対女でもないので、余計な言動をまき散らす人達はガンになるでしょう。

彼らが表現規制に反対なのであれば、それは選挙の票としてもありがたい話ですが、(あの連中が、民主や社民や共産に投票するとは、とても思えませんが……)積極的に関わるべきではないと思います。
本エントリーないで書いたとおり、感情的な罵倒を浴びせる彼らのような存在は、「善意」と「正義」で武装した規制派のやる気に油を注ぐ事にもなりかねません。

デモは、それを取材してくれるメディアと、参加してくれる政治家・有名人(この二つは大概セットです)がいないと効果がありません。しかし、表現規制反対は理解されにくい活動ですから、なかなか難しいのではないかと。

一方、意見広告は有効だと思います。問題は、誰がとりまとめるかでしょうが……
すぎやま氏の、愚かとしか言いようのない従軍慰安婦意見広告(アメリカでのあの反応を想像できない時点で、あまりにセンスがありません)の蹉跌を、踏まないようにする必要があるでしょう。

ネット上での意見取りまとめとなると、MiAU辺りになるんでしょうかねえ。
Posted by snow-windsnow-wind at 2010年02月02日 23:04
確かにおっしゃる通り、snow-windさんの慰安婦問題に対する見解はともかく、"THE FACTS"が結果的に失敗だったことは間違いないと思います。

しかしまあ、表現規制問題がからむと物の見事に、本来水と油であるはずの右派と左派が結び付きますからね…
少なくとも、鳥山仁氏の考えはまさにそれで、歴史認識問題などで水と油であるはずの右派と左派の連携を断ち切り、水を差すための戦術だと思われます。

あと、人権擁護法案は右派が騒いで完全に葬り去られましたし、国籍法改定は出遅れが響いて阻止することはできませんでしたが、土壇場で阻止の瀬戸際のところまで追いついたと思います。

意見広告の最大のネックは費用がかかることなんですよね…
新聞の全面広告は数千万円は下らないですからね…

今は空前の新聞不況なので、費用さえ容易できれば、政治的な理由がなければ拒否されないでしょうかね…
もっとも、リトマス紙的な意味合いもありますが。
Posted by slpolient at 2010年02月03日 07:14
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