2010年03月25日

『果てしなく青い、この空の下で… 完全版』 感想

果てしなく青い、この空の下で・・・。[完全版]
果てしなく青い、この空の下で・・・。[完全版]

「果てしなく青い、この空の下で…」は、2000年に発売されたギャルゲーです。
雫・痕(1996)、TO HEART(1997)、ONE(1998)、KANON(2000)と充実を遂げていたノベルゲーム全盛期の作品で、それなりに有名な作品です。内容は、田舎を舞台にした伝奇物で、雰囲気等は雫や痕のようなブーム初期の物に近くなっています。
いつかやろうと思っている内に完全に時代遅れの一品になってしまっていたのですが、今回完全版という形でリメイクが出たためプレイしました。

まず、不満から先に書こうと思います。何しろ古い作品なので、その弊害がモロに出ているのは否めません。と言うか、折角リメイクしたのに、その辺の修正がきちんと行われていないようです。

画面レイアウトは、左1/3に立ち絵、右2/3にテキストウィンドウという変則タイプ。これ自体は結構面白い試みだと思うのですが、テキストウィンドウの下にメニューリストが常時表示されているのと、選択肢表示時にキー操作が無効になるのは意味が分かりません。
前者について言えば、ああ言うシステムメニューは隠すか目立たないように工夫するのが基本です。映画や演劇で観客席を闇に沈めるのは、照明技術以上に余計な「現実」を消し、仮想現実に集中させるため。この原則はゲームでも有効で、だからこそ各社工夫を凝らしているのに、あまりに洗練されていません。
後者については、昔のゲームではそれなりに見かけましたが、ここ五年ほど全く記憶になかったパターン。古い作品のリメイクを行うなら、まず真っ先に直さねばならないのはインターフェイスなのですが……

誤字脱字はパソコンの華ですが、「良い」と「言い」とか、単純な文字の重複など、素人臭いのが気になります。
どの程度原版と異なる文章になっているかは解りませんが、大部分が同一のはずのテキストであれだけ誤字があるというのは、余程手を抜かないとあり得ないと思うのです。

なお、キャラクターの初見イメージは酷いもの。わがまま、うざい恋人気取り、重度コミュニケーション不全、鉄壁の防御、接点ほとんど無し、と言ったラインナップで、「ほぼ全員が幼なじみ」と言う設定から来る期待は木っ端微塵です。
絵も、塗りがおかしくて平板になっていたり、個性付けしようとして魅力的とは対極に突っ走った物が散見されたりと、残念な感じ。一枚絵の、泥沼にしか見えない海とかは、何事かと思いましたよ。背景は、結構良いんですけどね。
20年前のリアル系エロ漫画みたいな体の描き方のせいで、エロシーンが微塵も嬉しくないのは…… まあ、エロゲーのエロシーンって大して必要ないと思っているので、問題無いかな。


また、BGMが無いシーンが多いのですが、数少ないBGMが良いものだけに違和感が。サウンドドライバーを入れ替え、インストール後は必要ないはずのディスクを挿入し、色々ためしてやっと、最初からBGMが無いのだ、と納得しました。無音を上手く使っているとは言いがたく、感心できません。

そして、主人公の無計画っぷりと行き当たりばったりな行動も相当なもの。そこで選択肢寄越せ!と叫びたくなる展開が色々と。それで、弱味を作って状況を悪化させても、反省1つしませんしねえ。
雨音編をクリアしたのですが、秋編が終わった段階で、村を出ない理由も意味不明ですし。優先順位ってもんがあるでしょう。主人公達が村にとどまったら、反撃の機会が与えられるだけなのは自明なわけで。


ただ、悪役の政治屋や三下のチンピラから、主人公の父親までキャラの立ちまくった親父キャラは魅力的。悪役は悪役らしく、親父は親父らしく、ろくでもない主人公や少女達を尻目に輝いています。

また、無闇とプレイ時間が増えていく昨今、1シナリオ3時間程度でコンパクトにまとまった内容は魅力的。ちょっと切りすぎの面も見えますが、物語として切れ味良くまとめるなら、このくらいで十分だと思います。

その他、声の演技は及第点で、数少ないBGMも良。10年前の作品であることを考えれば、悪くない内容だと思います。リンク先のとおり、廉価ですしね。
と言うわけで、一応有名作でもありますし、興味があるならやって見ても良いと思います。キャラについては、当時のレビューなど思い出すと、気に入った人も多いみたいですし。



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