2010年03月23日

劇場版『涼宮ハルヒの消失』 感想

劇場版 涼宮ハルヒの消失 オリジナルサウンドトラック
劇場版 涼宮ハルヒの消失 オリジナルサウンドトラック
サウンドトラックのジャケットは、それだけで凶器。

遅ればせながら鑑賞しまして、とりあえず、一週間後にもう一回観ました。
確かに、もの凄いクオリティです。気合が違います。愛がスクリーンから拡散波動砲です。

何よりも、消失長門の可愛らしさは、もはや「殺意」と表現するのが正しいと思います。誰の?スタッフの。
俗に言う「萌え死ぬ」という言葉が、誇張ではないレベルで魂を揺さぶられます。そりゃあ、アニメ会の三平^2さんも、フォークギター片手にジャイアンリサイタルを開催しますよ!

なお、ゲットしたフィルムブックマークは、こんな感じでした。(注意!クリックすると、700kbのフルサイズが表示されます)



これ、結構なお宝じゃないですかね?ヤフオクを見るとかなり高騰してるみたいですが、一万くらいにはなるんじゃ……
勿論、売ったりしませんけどね。


閑話休題、長門のパワーにリング外まで吹っ飛ばされている感のあるハルヒですが、少ない出番をフル活用してその魅力を存分にアピールしている事も見逃せません。

最初の「待たせたわね!」からオープニングへのなだれ込み、キョンとのストーブ取り合い、飾り付けと、動きでとにかく魅せます。(個人的には、PCの排気口をストーブ代わりにしているキョンに痺れましたが)
そして、「救いの一手」となる、校門前のレイプ目(違)状態からハルヒ節への脱皮の描写の活き活きしていること。長門が終始静的で落ち着いた描写なのに対し、半分デフォルメされた表情をクルクル動かすのが好対照。

他のキャラも、ピンポイントの可愛さアピールでポイントを稼ぐ朝比奈さんや、男前ぶりを遺憾なく見せる鶴屋さんもさすがです。(朝比奈さんをかばってキョンとの間に割り込むシーンとか、「この人が主人公で良くない?」などと思ってしまいましたよ)

あ、キョンの妹も良いですね。起こし方や服装が毎回微妙に違ったり、唯一長めのセリフ(「お母さん、キョン君が頭おかしくなっちゃった!」)で「幼く生意気な妹」をビシッと印象づけています。

言うまでもなく長門は、消失バージョン以外、三年前・現在と合わせて、三者三様の魅力を見せるのがポイント高し。

そして、最後に情報統合思念体に向かって啖呵を切るキョンは、最高の格好良さは、今回正統派の主人公。

本当にもう、みんな幸せになってしまえばいいのに!!


さて、どこへ行ってもベタ誉め一色ですが、ちょっと違和感を感じた点もあるので、そこだけ。
要するに、「後半の構成がおかしくないか?」と感じたのですが、細かく分けると二点にまとめられます。あ、「原作がそうなっているから」と言うのは解ってます。ですが、言っちゃ何ですが、この辺は原作の展開そのものがゴタゴタしていて、あまり綺麗なストーリーラインではないわけで。

1,キョンの独白は、エンターキーを押す前に入れてこそ、では?
あの独白はキョン(杉田氏)の真骨頂であり、最大の見せ場です。しかし、いくら自問自答を繰り返し、見事な演出を挟もうと、「既に選択は為されたあと」だというのは、大きすぎる欠陥ではないでしょうか?
あの時点でキョンは入部届を突き返し、エンターキーを押して長門の望んだ理想世界を消滅させてしまっています。自動改札の心象風景など味わい深いのに、一番大事な構成が前後を違えているのはどうなんでしょう?

2,無駄な時間移動は必要?
3年前のシーンは、基本的に必要ではありません。長門にニードラーを渡されるシーン以外、蛇足です。ジョン二度目のアピールは、改変ハルヒのセリフもろとも無くした方がスッキリしますし、朝比奈のセリフもこの映画の中で語る必要はありません。(キョンが原作最初の巻で言っているとおりハルヒという「終わりが約束された」シリーズの中では、かなり重要ですが)

要するに、あの物語は、「エンターキーを押す」のが起承転結の「結」です。あとはエピローグと答え合わせでしかないわけで、その部分に一時間近くかける構成は、筋が良くないと思うのです。正直、あの辺からだれましたしね。

一本の時間軸を前提とするだけに、「因果律のもつれからして、ミッション失敗はあり得ない」と示されてしまうのもマイナスでしょう。
一応原作の設定では「未来は既定路線から外れる可能性もある」とされています。ですが、路線から外れる描写が一切無いため、原作自体が朝比奈関係のエピソードを中心に、緊張感のない物にしてしまっています。

と言うわけで、非常に素晴らしく、人生で三度目に同じ映画を複数回鑑賞してしまったわけですが、不満点もあり、と。
ただ、エンドレスエイトでもそうでしたが、問題点が手抜きや省力によって生み出されたわけではなく、その反対というのは注目すべきです。後半のダレは原作に忠実にきちんとエピソードを入れたためで、描写の美しさも十分です。
その意味で、あえて忠実に描写して前のめりに倒れたスタッフには、敬意を表したいです。実際、この上映時間の長さにもかかわらず大ヒットし、大多数の観客は後半をだれたとは感じなかったようですし。

いやあ、本当に、アニメって素晴らしいものですね。



当BLOG内の、その他のハルヒ関係記事はこちら
当BLOG内の、その他の映画関係記事はこちら





同じカテゴリー(アニメ・映像系)の記事画像
「HELLSING X 上映イベント」に行って来ました
アニメ PSYCHO-PASS #06 「狂王子の帰還」 感想
アニメ版「リトルバスターズ!」 第6話感想
アニメ PSYCHO-PASS #05 「誰も知らないあなたの顔」 感想
アニメ PSYCHO-PASS #04 「誰も知らないあなたの仮面」 感想
アニメ版「リトルバスターズ!」 第5話感想
同じカテゴリー(アニメ・映像系)の記事
 意志決定の機会を与えられない物語『この世界の片隅に』 感想 (2016-12-07 00:00)
 「作家性」とは歪さと見つけたり/『君の名は。』感想 (2016-09-08 00:00)
 面白いのが一番!『ゴーストバスターズ』リメイク版 感想 (2016-09-02 01:00)
 素晴らしい、そして欠点だらけの怪作 『シン・ゴジラ』感想 (2016-08-04 00:00)
 これはダメな映画では? 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』感想 (2015-07-10 00:00)
 酷いなこりゃ 映画版Steins;Gate 『負荷領域のデジャブ』 感想 (2013-05-02 00:00)

この記事へのコメント
おぉ、良いシーン(っぽい
2回行くと貰えるとかでしたっけ?

私は近場に映画館が無いど田舎人なので、まだ見てません;
DVD化したら買いたいなぁ(*´∇`*)
Posted by すけふじ at 2010年03月26日 11:09
二回というか、使用済半券二枚でもらえる奴です。私は二回見ましたが、二人で観に行って一回ひくという手もありですね。

画面の細部に神が八百万状態なので、可能なら、細かい部分まで見える映画館をお勧めします。
嫌われているエンドレスエイトもそうでしたが、画面のクオリティを眺めるだけで溜息が出るので。
Posted by snow-windsnow-wind at 2010年03月26日 23:03
遅ればせながら、

本当にやっと、2回目を観てきました。


フィルムブックマークキャンペーンは正解ですね。どうでもいい作りで「2回見ろ」といわれると石を投げたくなりますが、この映画は「是非2回観るべき」映画なので。
当たったのは・・・   もち巾着入りの器><普段の食いしんぼが反映
「うらやましいですね・・・」

2回目なので、筋を横目に画と音を鑑賞。ジムノペティを3カ所?堪能。

実写じゃないものを、どうしてこのレベルまで作り込んで・・・<バカだなあ#>
ジャパニメーション最高!ありがとうスタッフ!
Posted by Aruzya at 2010年04月14日 01:15
公開から二ヶ月経つのに、息が長いですよね。私も、スクリーンで見れる内にもう一度くらい行くべきか迷っています。

餅巾着……
それはそれで、ネタになると言うか美味しい気が。いや、駄洒落ではなく。

ジムノペティって何かと思ったら、BGMですか。音楽の教養は中学の授業レベルかそれ未満なので、素養のある人が羨ましいです。
でも、思考を邪魔しない環境音楽に近い物、と言われるとなるほどと思ったり。BGMを悪い意味で意識する場面は一つもありませんでしたし。
Posted by snow-windsnow-wind at 2010年04月15日 02:37
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。