2010年03月28日

ふざけた妥協のモデルケース 築地移転予算通過

先日書いた、青少年育成条例の今後の展開において、最悪のパターンとしたもののモデルが実演されました。


築地市場 移転関連予算成立へ(NHKニュース)

例によって、東京新聞が内容を細かく取り上げており(地域紙だから当然ですが)、妥協内容は以下の通りです。



▽議会による再整備の検討結果を尊重する
▽土壌汚染対策の実証実験結果をオープンな形で検証し、安全な状態での開場を可能にする
▽市場業者の現状や意見を聴取し、新市場整備に向けた有効な方策を検討する
  -といった付帯決議をつけて予算案を認めた。


(※ 改行は筆者)


まずこれは付帯決議ですから、記事中にもあるとおり法的拘束力はありません。むしろ、議会が予算をつけた以上、これを執行しないことこそ法律違反になります。
そして、土壌汚染に関しては元々問題無いというのが都の立場。オープンな形で検証、と言っても、データを公開して(その内容がどうあれ)「この程度であれば問題無い」と「専門家」のお墨付きを出せば終わりです。そもそも安全基準には学者毎に異なった意見がありますから、都合の良い結論を出してくれる専門家などいくらでもいるわけです。
市場関係者の意見聴取については、言わずもがな。元々移転賛成派もいるのですから、そちらを主にすれば良いだけです。

つまり、実質的に白紙委任に近く、民主党は必要もないのに妥協して見せたと言う事に他なりません。一応、「もし移転ありきの再検討になるなら、信義則違反だ。そうなったら二〇一一年度予算を通さない」などと言っていますが、口先だけです。
何故なら、今回の妥協は、都との間で千日手(修正案通過と拒否権がぶつかると、移転も現状維持も共に難しくなる)になって混乱が生じることを避けるために行われているからです。翌年になっても状況は変わらず、むしろ中途半端に予算執行がされた後であれば、八ッ場ダムと同じ理屈で反発が大きくなり、止めることは難しくなります。
結局は、「都もきちんと検討してくれた」という出来レースで、決着せざるを得ません。

ただし、恐らく都民主は気づいていないでしょうが、この妥協は再度の政権交代(または、絶対多数無き小党乱立)へのフラグを、また積み上げたことになります。
何度も言いますが、民主への政権交代の一番大きな要因は「自民ではない」事であり、自公政権と同じ政策を採るならば、存在意義など有権者は感じないのです。妥協は、このことを過小評価していなければできない真似なわけで、有権者の立場としてはそれを「理解させる」事が重要になります。

従って、例の青少年育成条例については、6月に向けてロビイングが続くこの状況で、「妥協したらお前らに存在価値なんか無い」と言う警告、または「自公と違う存在意義を見せてくれる物と信じています」と言う励ましをして行く事が、重要になります。

「こんな事をやらかす民主党はもうダメだ」ではなく、「同じ事をやらかさないように牽制しないと」と考えましょう。「もうダメだ!」と叫んでも、他に条例を食い止められる主体は居ません。手元にある銃の信頼性がないからと言って、放り出しても丸腰になるだけです。できる範囲でメンテナンスして、弾が出る確率が1%でも多い状態で引き金を引くしかありません。

結局の所、議員さんにせよ党にせよ、直接送られてくる意見以上に切実に感じられる情報はありません。少なくとも、「市場移転問題と同じように、実効性のない付帯決議のみで都の案を丸呑みにするのであれば、変化を期待して投票させて頂いた私としては、がっかりせざるを得ません」位は書いて構いません。
前にも書きましたが、陳情というのは政策と票の交換交渉ですから、商品(政策)が納入されないなら、代金(投票)をする義理などないのです。失礼な物言いにならない注意は必要ですが、要求はきちんと伝えないと意味がありません。民主主義国家で、声なき声はただの沈黙ですから。




同じカテゴリー(社会)の記事
 ふざけないでいただきたい/オリンピック盗用ロゴの擁護について (2015-09-07 23:00)
 色々面倒くさい憲法9条の話 (2013-01-05 20:00)
 あっはっは! (2012-06-27 22:00)
 この国、政治的に詰んだって事ですよね (2012-06-26 22:00)
 著作権が守る物/行政の公開情報を引用して逮捕と言う麗しき世界 (2012-04-17 22:00)
 誰が為の公共性/アレフ施設へのガス供給工事不許可適法判決 (2012-03-15 20:00)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。