2010年04月03日

『素晴らしき日々 不連続存在』 感想1

素晴らしき日々 ~不連続存在~
素晴らしき日々 ~不連続存在~

前情報、一切無し。選択理由;ゲーマーの勘。そんな理由で、始めてみました。

ここのところ、評判買いライター買いも失敗だったので、たまには、パケ買いだって良いじゃない?
そもそも、人生最初のパソコンゲームがパケ買いしたONE(その前に、名前だけはどこかで聞いたことがあったけど)だったのがはまるきっかけなわけで、たまには初心に返りましょう。

と言うわけで、夏に奏でる僕らの詩と並んでいた、『素晴らしき日々 ~不連続存在~』です。昔、同じ名前のドラマがありましたねえ。あっちの原題は"The Wonder Years"。「古き良きアメリカ」の学校生活物で、憧れたのを思い出します。版権関係でDVDも出てないのが残念な所ですが……

閑話休題、多分セカイ系かSF何だろう、くらいの情報のみでレッツゴーです。


とりあえず、数日間かけて睡眠時間を削りつつ、第三話(?)までクリア。最初のエピソードを第0話とすれば、第二話でしょうか?
先に結論を書いておくと、ロースターターながら、プレイを続けて居るとかなり引き込まれるシナリオです。拙い所は多々ありますが、十分に魅力的。


ところで、買ってから何やら作中で聞いたことのある単語が飛び交うなあと思ったら、終ノ空の姉妹編(それともリメイク?)だったんですね。って、終ノ空やってませんよ!どうするんですか!?ロットアップらしいし……
と言うわけで、そっちはやっていない状態でのレビューと言う事を念頭に置いて下さい。


プレイを開始すると、まず目に飛び込んでくるのは無音で白いメニュー画面。そして冒頭から、自意識過剰なシラノの引用と、シンジ君そっくりの男キャラ……
エロゲ業界という泥沼戦線で性能を磨かれた地雷センサーが、狂ったようにわめいております。ただし、そう言うのに限ってやって見たら名作だったりするので、グッと堪えてプレイ続行。

パッと見てかがみとつかさそっくりだなあ、と思った双子の名前が、「鏡」と「司」だったのには、さすがに食べてたクッキー吹きました。ひねって!ちょっとでいいからひねって!これ、メタな伏線だったらどうしよう……(このエントリーを書いてる段階では、間違いなくそうだろうと言う予想になりました。あ~)

そして、序盤から主人公のセリフだけで状況を説明しようとする、やばそうな手法が使われているのに、また冷や汗が出ます。やっちまったかな?

でまあ、セカイ系全開で話は進みます。世界の設定を語る少女との言葉を素直に解釈すれば、あの世界は、多分主人公の認識が作り出した物なんでしょう。主人公は、偽かがみとつかさに幼なじみとして絡まれる、世界の中で美味しいポジションにいる存在。そして、衒学趣味が混じっているとは言え、主人公が異常事態に対して連想するのは、サブカルチャーのゲームやアニメ。つまりは、あそこは主人公にとって理解しやすく、なおかつ都合の良い世界になるわけです。世界の設定自体が、主人公によって構築されたものとした方が解りやすいかな?ハルヒの、と言うか、創造主物のSFの典型ですね。

後まあ、主人公は女性のはずだけど、間違いなく中身(魂?)は男オタクですよねえ。その辺含めて、都合の良い世界なのかな?

結構惹かれてきました。

ただ、こう言う「創られた世界」物は、世界に対する違和感が徐々に蓄積して、大ネタとして真実が明かされるから面白いわけです。最初から見え見えで創られた世界と言うのは、奇襲が読まれたゲリラ兵みたいなもので、強みの8割が消えている気も。


司「やっぱり孔明と周瑜だよね。三国志はこの二人の愛を軸に歴史が展開していくんだよ」
由岐「違うわい、歴史捏造するな」
司「本当だもん。だってだって、ファー様も言ってたしっ」


みたいなネタは確かに面白いんですが、上記の前提があるので、どこまでメタな話かと思うと、素直に楽しめないんですよね。こう言うのも、本当はあとで「ひょっとして、ああ言うオタネタも、実は世界の秘密に関わる話だったのか!?」みたいな形でビックリさせてこそ、だと思うんですが。


一方、文章は高水準でまとまっています。後述する演出の鬱陶しさはありますが、誤字脱字も無くテンポも悪くありません。妄想シーン以外は状況説明も的確ですし、総じて違和感なし。画面暗転等の演出を挟まずに時間を飛ばす手法は、善し悪しですかね。少なくとも、「何かが起きた」事をプレーヤーにアピールした方が良いような気が。

で、最初のエピソードのクライマックスは、銀河鉄道の引用が長すぎて疲れます。気の効いた引用は、一文か二文で簡潔にまとめるから良いのであって、ダラダラ続けられると「自分の言葉で喋れ」と言わざるを得なくなってくるわけで。
大体、アリスも賢治も、散々引用され、使い古されているネタなわけで。

三時間ほどプレイして、どうやらプロローグは終了。これで仮想世界は抜けたようですが、さて、抜けた先が「現実」とは限らない、と連呼されているます。って言うか、どう見ても……
でまあ、どうも時間軸的に前か後かは解らない、新しい(古い?)偽りの世界の物語が始まるんですが……
なんつうか、厨二病丸出しの宗教もどきに説得力を持たせるには、伏線が足りなすぎじゃありません?
冒頭で主人公がざくろに電波台詞を聞かされた時の反応が正常で、教室での大演説が受けいれられるのはお笑いにしかなりません。って言うか、殴る選択肢寄越せよと。たかが人が二人死んだくらいで世界の終わりとか言い出しちゃうのは、いかにもな思春期ドラマですが、その妄想が学校内で説得力を持つ課程が丸抜けしています。写メール?ネットの噂?今時の高校生は、もっとすれてると思いますが。
そもそも、電波妄想発言の主体がいじめられっ子では、説得力はゼロです。「何言ってんだ邪気眼」で片付けられ無い理由がありません。

その後のカリスマ獲得過程にしても…… いや、どう見ても間宮の自作自演なんですけど、リテラシーある奴一人もいないの?馬鹿なの?死ぬの?

一方、主人公がかなり真に迫ったオカルト現象に遭遇してからは、話が一気に加速し、行動の説得力も大幅アップしていきます。描写もなかなか堂に入って来て、直前の展開の強引さ・不自然さは帳消し。逆にその前のまずさが浮き彫りになってる面もありますが、それはまあ置いといて。
あれくらいの目に遭えば、混乱してオカルトを信じてしまうのも納得できます。
と、このエピソードもオカルティックな伏線をばらまきつつ終了。


続くシナリオは、そのキモオタ間宮が主人公。時間軸としては、どんどん遡って行ってるみたいです。

ただこのエピソード、内容としてはCHAOS;HEAD(当BLOGの感想はこちら)ですね。妄想と現実の交錯、キモ主人公、しゃべり出す二次元キャラ、妹は萌える…… 勿論、この作品の元となった終ノ空の方が遙かに古いですが。

で、この辺りから、現実が蚕食されていく描写が加速してきて、この作品の本領発揮と言った所でしょうか?主人公が主人公なので、ノイズのかかったような日常描写が割と迫真。

でも、電波コピペで画面を埋め尽くす手法は、繰り返されると飽きる以前にだるいので、ほどほどにして欲しかったですが。
あとやっぱり、教室でハッチャけるシーンとその後の希実香取り込みシーンは、今一というか、ハッタリが足りないです。

それと、肝心な所で既存のクトゥルフ神の名を出してしまうのは、大いにマイナスかと。あれは、「結局最後まで何だか良く解らないもの」で通した方が、ホラーとして完成度が高まったと思います。

かと思うと、割とクライマックスに近い所で、正直反応に困る描写があったり……



父なる神。
いや、あの物語のポイントは、妄想と現実の相克であって、妄想ネタで笑いをとる事じゃないと思うのですが……
いや、解りますよ。神や救世主の話は基本的にすべて妄想。世界を巡る不自然だけが真の不条理。ですが、この段階で、こんな形でそれを画面に語らせちゃうのは、凄くもったいないですよ。

ですが、最後まで唯一論理的な行動を踏み外さない希実香さんが好印象なのと、妄想と現実の切り分けが出来てくる展開で、中盤の引き締めとしては理想的な感じ。
これは、ここ一月の死屍累々・連敗トンネルを抜ける一本になってくれそうで、期待大です。あー、早く続きがやりたい。



その他の、「素晴らしき日々 不連続存在」関係のエントリー(これの続き)は、こちら







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