2010年04月06日

『素晴らしき日々 不連続存在』 感想2

シラノ・ド・ベルジュラック (光文社古典新訳文庫)
シラノ・ド・ベルジュラック (光文社古典新訳文庫)

作品中で由岐が読み、あっちこっちで引用されるシラノはこの版。表紙も、一枚絵の中にチラッと出てきますね。

しっかし、百合ばっかりですねえ。誘い受けのざくろさん、マジパネェッス。勿論、何の問題もないわけですが!
SIR!大好物であります!SIR!


第三話の視点人物はざくろ。

間宮は、客観視すると更に痛いですね。ここではそう言う役割なので、非常にナイスです。

間宮に限らず、やっと比較的マトモな人間の目から各キャラクターが俯瞰できるおかげで、一挙に世界の象が見えてきます。特に、由岐(?)の姿はサラッと出てくるだけに流しそうになりますが、重要も良い所。あれ?でも、由岐と羽咲は一度会ってるはず…… などと考え始めると、見事に作者の罠にはまって続きが気になってきます。

物語がはじまった段階で、情報に齟齬がある。記憶の不一致?ループの周回?

さて、初回はハッピーエンドという体裁のバッドエンドになりました。まあ、こう言うネタですから、賢くループ(?)を抜けるとその場で物語が終わってしまうわけで。

ざくろさん、その抵抗の方法はまずすぎるよ。やるなら、その場でビデオ押さえさせて、二度と自分たちに手出しできないようにさせないと……

と言うか、宣戦布告だけしといてその後の戦いでは足手まといオンリーって、二次大戦のイタリアじゃないんですから、勘弁してくれと言う感じ。

この話における情報を整理すると、前回あれだけ引っかかった間宮のカリスマ性獲得は説明が付くんですね。ただそれなら、前々話で由岐に「間宮の言葉があんなにすんなり受けいれられるのはおかしい」とでも述懐させておけば良かったのに。

とは言え、この話も物語は非常に綺麗に収束。それどころか、単品で見れば王道のシナリオです。いじめを跳ね返し、自分を変え、素晴らしき日々は続いていく。

でも、それじゃあ物語は終わってしまうわけで。
かくして、唯一の選択肢に戻って、世界の謎へと迫ることになります。

いやまあ、ハッピーエンド時のざくろも二次大戦のイタリア状態でしたが、こちらに至っては二次大戦の日本並のド阿呆と言うか。相手が麻薬やってるヤバイ奴というのは解ってるわけですし、目の前の親友のピンチ救うために、頭か体かどっちか動かせよダボハゼ!と叫びたくなります。一人で不幸になるのは勝手ですが、親友を巻き込む辺り、本当に救いようがありません。

でもまあ、だからといってあそこまでひどい目にあって良い人間が居るはずもなく……
これがバッドエンドではなくトゥルーエンドルートだというのが、もう本当に救いのない所で。救いは来ない、抵抗は粉砕される、ひどい事の先には更にひどい事があって、どこに出しても恥ずかしくない立派でリアルな犯罪行為が大名行列。

これなら確かに、ざくろがおかしくなることの説得力は申し分ありません。どう考えても単なる思春期まっさかり(中二病)です本当に(略)な連中に、フラフラ引き寄せられてしまっても、違和感がないどころか当然すぎて泣けてきます。宗教とか過激な政治団体って、こうやって人を増やすわけで。リアルさは正に物語の劇薬。

もっとも、この連中の妄想に一片の真実が含まれている可能性は、常にあるわけで。妄想を扱った作品の定番ですしね。最近だと、やっぱりひぐらしですか。これを完全に逆手に取り、伏せられたカードが一切存在しない物語を描いたAURAもありましたが。

と言うわけで、救いなんぞ欠片も提示しないまま、第三話も終了。
悲劇と喜劇は表裏一体とは言え、これはもう読み進めるしかないじゃないですか。


そして、四話はいい加減どんなプレーヤーでも間違いなく気づいていた秘密の一つを、サラッと提示。良いタイミングです。
鏡と司も、少し違いますが、意味合いとしては予想と完全に一致。間宮、この、馬鹿なキモオタ!(共感と同情を泣き出しそうな目線に込めつつ)

ただ、ここまでの段階で明らかになった情報をまとめると、俺たちに翼はない(当BLOGの感想はその他のこちら)まんま(「妹を守るために用意された人格」(反転)の設定とか、そのまま過ぎます)になってしまうのが、メタ的に気になります。これもブラフの一つなんじゃ……?
でも、終ノ空の時点でシナリオがこうだったのなら、むしろ「俺たちに翼はない」の方が、オマージュだかアイデアの借用だかになるんですかね。

この関係で残る疑問点:
由岐が前から存在していたなら、何故間宮はいじめられていたのか?火の粉を払うなら、簡単にできたはずなのに。間宮自身の自責の念が、それを望まなかった?
また、由岐とざくろのデートは、バッドエンド(ハッピーエンド)でしか起きなかったことではなかったのか?

それにしても、この話はコミカルなネタが結構挟まれて、随分肩の力を抜いて楽しめます。主人公が無敵のため、前話とは打って変わって、安心して見ていられますし。この辺のバランス感覚は見事。


折角だから、俺はこの赤のオカマを……選ばねえよ!
このマスターはギャグでもシリアスでも非常に良いキャラなので、声がないのが本当に勿体ないですね。

とは言え、結局至る所は前話で提示されたとおり。また軽く鬱になった所で、第四話に進みます。なおこのエピソードについては、選択肢による変化はほとんど無いんですね。

う~ん、こうしてみると、最初のエピソード(第0話)以外は、合理的な説明が出来てしまうんですね。さて、ここからどう決着を付けていくのか?楽しみであると同時に、「俺たちに翼はない」同様、根本的な設定については、「結局、単なるメンヘルごっこかよ」と言う感想に終わってしまう可能性もあります。
どうなるんでしょうかねえ……



その他の、「素晴らしき日々 不連続存在」関係のエントリーは、こちら







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